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CHUWIのパソコン AMDのCPU偽装問題 

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中国メーカーによる偽装

中国のPCメーカーCHUWI(ツーウェイ)が、搭載CPUの型番を偽装して販売していた問題が、2026年3月に入り大きな騒動となっています。

特に最新のAMD Ryzen 5 7430Uを搭載していると謳いながら、実際には旧世代のチップが載っていたことが判明し、AMD公式が異例の抗議声明を出す事態にまで発展しています。以前から、メモリー等の容量偽装などは一部のショップなどで確認されていましたが、メーカー自体が偽装をしていたとしたら大きな問題です。更にバックドアが仕込まれ情報漏洩の危険があるのではと疑われていました。

騒動の概要:何が「偽装」されたのか?

海外メディア(Notebookcheck等)の分解調査により、CHUWIの一部のPCにおいて、スペック表記とは異なる旧世代のCPUが物理的に搭載されていることが発覚しました。

  • 公称スペック: AMD Ryzen 5 7430U(Zen 3世代 / 2023年登場)
  • 実際の中身: AMD Ryzen 5 5500U(Zen 2世代 / 2021年登場)

単なる誤植ではなく、BIOSレベルで型番が書き換えられており、Windowsの設定画面や、従来の「CPU-Z」などの診断ソフト上でも「7430U」と表示される極めて巧妙な細工が施されていました。

ベンチ結果https://www.passmark.com/

CPU Name CPU Mark
(マルチ)
CPU Mark
(シングル)
AMD Ryzen 5 7430U15,6952958
AMD Ryzen 5 5500U12,6922401

対象となっている主なモデル

現時点で以下の3機種で偽装が確認または強く疑われています。

  • CoreBook X (ノートPC)
  • CoreBook Plus (ノートPC)
  • UBOX 7430U / LarkBox X系 (ミニPC)

※特に、安価な価格設定(5万円前後など)で「Ryzen 5 7430U搭載」として販売されていた個体が対象となっている可能性が高いです。

AMDおよびCHUWIの対応

AMDは「この偽装行為を承認も黙認もしておらず、一切関与していない」と完全否定。ブランド毀損として、関係者への法的措置を検討する声明を出しました。CHUWI側の反応としては、当初は報道に対して強気な姿勢(法的措置の示唆など)を見せていましたが、証拠が揃ったことで、一部の地域や代理店では製品の回収(リコール)と全額返金の案内が始まっています。

自分のPCが「本物」か確認する方法

ソフト上の表示が偽装されているため、一見すると判別が困難ですが、以下のポイントでチェック可能です。

L3キャッシュの容量を確認:

 本物 (7430U): 16MB 偽物 (5500U): 8MB

最新の診断ソフト: CPU-Z のバージョン 2.19以降は、この偽装工作を見破るための修正が入っています。

物理的な確認: 最終的な証拠は、分解してチップ表面の刻印(OPNコード)を確認することです。5500Uの場合は「100-000000375」といった番号が刻まれています(※分解は保証対象外になるため注意が必要です)。

もしお手元の端末が該当する場合、購入したショップやCHUWIの公式サポートへ問い合わせ、返品・返金の対象になっていないか確認することをお勧めします。

中国製パソコン 過去の偽装

中国製パソコンやパーツにおける「偽装」は、今回のCHUWIの件に限らず、過去にも性能・容量・セキュリティの各面でいくつかの大きな騒動がありました。

これらは大きく分けて、「スペック(性能)の偽装」「中古・低位パーツの流用」「セキュリティ上の不正(バックドア等)」の3つのパターンに分類されます。

スペック・型番の偽装(CPU・GPU)

今回のCHUWIと同様に、OS上の表示を書き換えて上位モデルに見せかける手法です。

RTX 4090 リマーク・チップ換装騒動 (2024〜2025年)

米国による中国へのハイエンドGPU輸出規制を受け、市場で高騰したRTX 4090の「偽物」が横行しました。

実際には旧世代のRTX 3090のチップ表面を物理的に削り(ラッピング)、レーザー刻印で「RTX 4090」と書き換えた個体が発見されました。基板は本物に見えるよう細工されており、分解してチップを詳細に調べないと判別できない巧妙なものでした。

Genmachine等の「Surface用チップ」流用 (2023〜2024年)

一部の格安ミニPCメーカーが、本来Microsoft Surface専用の特注チップ(Ryzen 3780U等)を、BIOSを改造して「Ryzen 3750H」などの一般モデルとして認識させて販売。ドライバが正常に当たらない、性能が不安定といったトラブルが頻発しました。

コンポーネントの「中身」偽装(ストレージ・メモリ)

AmazonやAliExpressなどの「ノーブランド品」や「格安B級ブランド」で非常によく見られるパターンです。

容量偽装SSD・USBメモリ (継続的に発生)

「2TBで3,000円」といった異常に安いSSDにおいて、実際の中身は64GB程度の安価なメモリであるケース。

コントローラーチップを改造し、Windows上では「2.0TB」と表示させます。容量を超えて書き込もうとすると古いデータから順に消えていく、あるいはエラーを吐く仕組みです。

中古・再生チップの「新品」偽装 (2022年頃〜)

一部の格安メーカー(Goldenfir等)のSSDにおいて、サーバー等から回収された中古のNANDフラッシュメモリを「新品」として搭載。耐久性が極端に低く、数ヶ月でデータが消える事案が相次ぎました。

セキュリティ・ソフトウェアの偽装

「便利ソフト」や「ドライバ」の皮を被った不正プログラムの混入です。

AceMagic ミニPC ウィルス混入事件 (2024年2月)

日本でも人気のミニPCメーカー「AceMagic」の製品に、出荷状態でRedline Stealer(情報窃取マルウェア)が仕込まれていたことが発覚。メーカーは「RGB制御ソフトの開発ミス」と説明しましたが、実際にはパスワードやブラウザのCookieを盗む挙動が確認され、ブランドの信頼が失墜しました。

Lenovo「Superfish」事件 (2015年)

Lenovo製ノートPCに、広告を表示させるためのアドウェアがプリインストールされていました。単なる広告ソフトではなく、独自のルート証明書を勝手にインストールしており、HTTPS通信(暗号化通信)を傍受できるという致命的なセキュリティホールを意図的に作成していました。

徳島県とCHUWI(ツーウェイ)

この名前が並ぶとき、避けて通れないのが「GIGAスクール構想で導入されたタブレットの大量故障問題」です。

今回のCPU偽装騒動を受け、過去に徳島県で起きたこのトラブルが「やはり体質だったのか」と再び注目を集めています。

徳島県における「CHUWI製端末」大量故障の経緯

2021年、徳島県教育委員会は県立高校などの生徒向けに、CHUWI製のデタッチャブルPC(2in1端末)「UBook 11」を約1万5,000台導入しました。しかし、その後極めて高い頻度で故障が発生し、大きな社会問題となりました。

導入からわずか2年強で、約1万5,000台のうち半数を超える8,000台以上が故障。最終的には「1人1台」の端末が足りなくなり、3人に1人しか使えない「端末不足」の事態に陥りました。

主な原因はバッテリーの膨張(膨らみ)による液晶の浮き上がりや、起動不可が続出しました。徳島県の厳しい夏場の教室環境(高温)に耐えられない設計だったのではないかと指摘されています。 予備機もすぐに底をつき、当時の後藤田知事が「安物買いの銭失い」と厳しく批判。保守業者(納入元)との間で責任の所在を巡る対立が生じ、損害賠償請求にまで発展しました。

今回の「CPU偽装」との繋がり

徳島県の件は「設計・品質管理の甘さ」が問題でしたが、今回のCPU偽装は「意図的なスペックの書き換え」という、より悪質なコンプライアンス(法令遵守)の問題です。

徳島県の事例で「品質」への不信感が植え付けられ、今回の件で「企業倫理」そのものに疑いの目が向けられる形となりました。

徳島県の一件以降、日本の自治体や教育機関では「安さ」だけでなく、メーカーの信頼性やサポート体制をより厳格に審査するようになっています。今回の偽装発覚により、CHUWI製品が日本の公的機関や法人の選択肢に入ることは、今後極めて難しくなると予想されます。

現在の状況

徳島県は現在、故障したCHUWI製端末を廃棄し、別のメーカー(NEC等)の端末への買い替えを順次進めています。また、故障によって学習に支障が出た期間の補填や、業者への法的追及も継続的な議論の対象となっています。

過去の事例から見る「共通の予兆」

これらの偽装品には、共通する特徴があります。

特徴内容
価格が異常に安い同スペックの他社製品より3割以上安い場合は、チップの流用や偽装の疑い。
聞いたことのないブランドAmazonなどの「出店しては消える」ブランドは、偽装発覚後に逃げる前提が多い。
ドライバの更新ができないチップが偽装されていると、公式ドライバが認識されずエラーになります。

今回のCHUWIの件は、BIOSレベルでの型番書き換えという、かつてのノーブランド品が行っていた手法を、一定の知名度があるメーカーが組織的に行ったという点で、過去の事例よりも深刻に捉えられています。

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