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登山での遭難を防ぐための心得

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遭難には注意

今年の夏山の遭難概要

昨今、山での遭難が多発しています。

内訳を見ると50歳以上の遭難が半数近くあり

40代も含めたいわゆる中高年層の遭難が過半数です。

また、野生動物に襲われるなどの事案も増えています。

加えて富士山での低体温症や疲労による救助要請など、

過信せず慎重な計画を立てる事で未然に防げる事案も多い。

なぜ人は遭難に至るのか。

自分の力量を把握していないのも原因ですが、

心構えの問題も有るのではないかと。

予防する手立てとしては登山前の準備が大事です。

フィールドで学ぶことも多い登山ですが、

机上学習で知識を得ることも大切です。

いつ遭難してもおかしく無いと心するべきです。

山岳遭難者の中で大きな要因は滑落、落石、落雷の3つです。

今年はそれに加え、野生動物による襲撃も増加、またインバウンド需要によって

外国人による無理な登山・軽装での登山などの無謀登山も増える傾向にあります。

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滑落防止

滑落防止には歩行技術を学ぶのが一番。

浮石を踏み抜いても態勢を保持できるように

3点支持を意識します

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3点支持とは

四肢(手足)の内、必ず3点はしっかり支持します。

片手を伸ばす → ホールドが掴めたら片足を上げる →

足が保持できたら片手を伸ばして登る

万一、1点を外しても3点で保持できる訳です。

歩行中は落石を起こさないように配慮しなければいけません。

後続の登山者に怪我を負わせた場合、過失が問われる事があります。

スピード自慢の登山者で、ガラガラと後ろへ落石させながら

走るように登る人を見かけます。

自分一人の山ではありません。

一歩一歩確認しながら慎重に登りましょう。

道迷い

山国育ちの私ですが、

子供の頃、家族と山へ山菜を採りに行った際に、

迷った経験があります。

その時は筍採りでしたので笹が生い茂った斜面で

一生懸命地面を見ながら採取していて

ふと気がついたら独りぼっち、

半べそかいて大声で助けを呼んだ記憶があります。

軽いハイキング程度でも

必ず地形図とコンパス、通信機器(スマホ)などは持参しましょう

登山口から方位を確認しながら登ります。

視界が開けたり地形の変化があったら地図で確認します。

最終手段としてスマホのGPSも活用できます。

これは電波のエリア外でもGPSは使えるので有効です。

また電子コンパスや高度表示など計測ができますので

ありがたいものです。

ただ、バッテリー残量には注意し、

電波が届かないようならフライトモードにし

GPSのみ使えるようにします。

気候変化への対応

夏の北アルプス。

軽装の方もよく見受けられます。

晴天時は問題は無いものの

天候の急変にも備えるべきです。

特に汗で濡れていたり、雨天の場合など

一旦衣服が濡れてしまうと乾きにくく、

そこで暴風に曝されると体温が奪われ

夏山でも低体温症の恐れが出てきます。

天候悪化の場合は、

当然、透湿性の雨具は着用し

+インナーを追加し保温に努めてください。

一旦行動を止めて体力温存に努めましょう。

この場合に有効なのはレスキューシートやツエルトに包まるだけで

保温効果が得られます。

8人が亡くなったトムラウシの遭難事故や

5人が亡くなった吾妻連峰遭難事故でも

一人が低体温症で倒れ、それを介護や救助するために

パーティー全体が遭難に巻き込まれる事が

あります。天候の悪い時の行動は避け、

停滞及び撤退の判断を

遭難したと思ったら

谷へ降りるか登り返すかで判断が分かれる所です。

かつて私も谷沿いへ降りてルンゼ状の斜面で

行き詰った経験があります。

私感ですが、確実に目標が判る以外では、

見通しが良い場所まで登り返すのが、

ベストな気がします。

年齢による山岳遭難

恥ずかしながら私も体力の限界は感じています。

しかも仕事に忙殺されてなかなか登山へ行くのも難しいので、

運動不足も拍車をかけています。

一番感じるのがバランス感覚の衰えですね。

昔なら少々足場が悪くてもゴロ石の上を軽快に

歩けたものですが、最近ではフラつく事もあります。

だから「自分は大丈夫」などとはこれっぽっちも

思えません。

自分を自覚しより気を付けなければいけません。

今からのシーズンの注意点

秋の紅葉を見にハイキングされる人も

多いかと思いますが

雨具、ツエルト、非常食、地図、コンパス、

スマホ、水分は必携でお願いします。

また10月以降になりますと3000m級の山々では

いつ積雪してもおかしくありません。

防寒装備も忘れずに。

令和7年度 夏期における山岳遭難の概要(警察庁)

登山の備え

日帰りハイキングだろうが

縦走登山だろうが必ず携帯すべきアイテムという物があります。

これは必ず携帯をお願いします。

1、登山届け

今は自治体の条例で提出の義務がある所も増えてます。

あらかじめ作成して、一部は登山ポストか管轄警察へ郵送、

そして1部は携帯しましょう。

たとえ低山であっても作成しましょう。

住所氏名、年齢はもとより

ルート、装備の内容、携帯番号、ザックの色など

情報が多いほど捜索の手掛かりとなります。

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2、 コンパスと地図

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これが登山の基本になります。

どんなに電子機器が発達しても

必ず地図とコンパスは持ちましょう。

読図は机上学習ではピンと来ないので、

フィールドでの経験が有効です。

意外に遭難って身近な山でも起きるものです。

油断大敵

地図については荒天対策も必要です。

自身で国土地理院のものをプリントアウトし、

防水のためジップロックなどで

携帯しても良いですし、

山と高原地図なら雨に強い素材の地図ですので

お勧めです。

 3. 水、行動食、非常食

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当たり前の話、

人間水や食料がなければ生きていけません。

しかし、持てば持つほど重くなるのが

これらの飲食物。

特に水は極限まで減らしがちですが、

私も真夏の水場の無い稜線で枯渇した事があるので

夏場は特に多めに持った方が無難です。

地図に記載されている水場でも、天災や気候の変化で

渇水してる場合があります。

非常食

たとえ小屋に泊まる場合でも

必ず非常食は持ちましょう。

目安は最低1日分。

ちなみに私がよく持っていくのが

アルファ米とチキンラーメン。

水があれば1時間でご飯が出来るアルファ米と

そのまま食べられる味付き即席麺は軽くて良い。

行動食

行動食は好きな物で構いませんが、

私の場合、

ココぞというもうひと頑張りしたい時用に

ゼリー状の栄養補給食品を忍ばせています。

ウイダーインゼリーとかアミノバイタルとか

結構バテたり疲れがピークになった時には

効きます。

これらの食料品でのアドバイスですが、

軽くしたのでしたら乾き物がお勧めです。

今はコンビニでも色んな栄養補助食品

が売られています。

例えばカロリーメイトのような物でしたら

軽いですし個包装ですので長持ちします。

食べなければ次の登山に持っていけます。

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4. ツェルト、レスキューシート

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最終的に命を守るために必要なアイテムです。

万一、遭難した場合、いかに体力を温存するか。

厳しい環境から体を守るかが大切。

ほんの少しずつの疲労の蓄積が

生死を別ける事例は結構あります。

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レスキューシートはアルミ製の保温シートで

これを羽織るだけで体温が奪われにくくなります。

直接雨風に吹かれない事も重要なポイントです。

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5.通信機器

現在では登山には無くてはならない道具。

緊急通話は最後の砦である。

GPSや山岳マップアプリはルート確認の

強い味方でもあり、非常に便利であるけど

いざと言う時に使えなくては宝の持ち腐れになります。

それを防ぐための使う上での注意点

1、登山中はフライトモードを活用する。

とにかくバッテリーの消耗を防ぐことが大事です。

通信エリア外では消耗が激しくなります。

 フライトモードへ切り替えることで

GPSは補足しつつも携帯の電波は発信しませんので

バッテリーが長持ちします。

2、外気温に注意する。

冬山では一瞬にしてバッテリーがゼロになる

場合もあるので、出来るだけ体に身に付けバッテリーの

温度低下を防ごう。

私は使い捨てカイロを使ったりして温めます。

テントでの睡眠時はシュラフに忍ばせて置くことで

バッテリーの容量低下を防ぐ事ができます。

3、モバイルバッテリーがあると便利

大容量でなくてもいいが、2回程度フル充電にできると

安心感がある。現在では小型軽量で防水のものもあるが、

粗悪バッテリーに注意、衝撃で破損発火の恐れあり。

しっかりPSEマークがあるか、製造元がしっかりした所か、

チェックも必要。

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かつての事故を教訓に

5人が亡くなった

1994年の吾妻連峰冬山遭難ではツエルト装備もラジオも

持たない事が批判されました。

さらにこの時は登山届も結果的に提出されておらず

捜索にも影響しました。

わずか数百メートルの距離ですら遭難の可能性があることを

忘れずに。

熊対策

昨今はクマの出没が非常に多いです。

私自身、新穂高では何度も出逢っています。

早朝出発を控えたり音を出したり対策してください。

熊よけの鈴は携帯しましょう。

熊撃退用のスプレーは必ず専用ケースに入れるか保護し、

山以外の場所での誤発射を防ぐ処置をしてください。特に公共交通機関内での誤発射で、

周りの人が具合が悪くなったり、電車の運行に影響が出たりしますと

所持者の責任が問われます。

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