シリコングラフィックの世界

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シリコングラフィックの世界

コンピューターが耐久消費財だった頃の話

一世を風靡したパソコン達の紹介です。

モバイル端末全盛ですが、

コンピューターが

パーソナルと言えない時代の話です。

パソコンは夢の道具だった

子供の頃はホビー用途のもの(パピコン、MSXなど)

を所有していました。

その当時のコンピューターは非常に高価で

中々、学生の私には手の届くモノではありませんでした。

時は過ぎ、

私が最初に購入した本格的なパーソナルコンピューター

はPC9801BA2だったと記憶してます。

PC-9801 BA2

メモリーは3.6MBでCPUはi486のDX2、

FDDはさすがに5インチでは無く3.5インチでしたが、

HDDは未実装で価格は20万くらいしました。

HDDはオプションでしたが、純正品は高いので、

私は、CバスにSCSIカードを挿して、メルコの外付けHDD500MBを使ってました。

OSはMS-DOSからWindows3.1で、後にWindows95になりましたが、

その当時の用途といえば自営をしていた関係で、

DOS版のPCAの会計ソフトと

パソコン通信などでした。

この当時は、音楽の趣味もやっていて

マッキントッシュがホント欲しかったですが

非常に高価で手が届きませんでした。

NECのPC/AT互換機化

それからは何台も購入しましたが、

NECとは初代NX(1997年)までお付き合いしたと記憶してます。

NECが出したPC/AT互換機としては初モノ。

これも結構長い間使いました。

新機能(USBとかレジューム機能とか)

を売り文句にしてましたが、とにかく安定性が悪かった。

その記憶が強くあります。

DELL precisionにて趣味の3DCGを始める

Windows NTを使い始めた頃のマシン。

(1998年前後だと思います)

価格はトータルで80万位でした。

Pentium2 Xeonを2基搭載したハイスペックモデルで

グラフィックはNVIDIAのQuadroだったと記憶しています。

非常に安定したマシンで長く使いました。

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Windows NTとライトウェーブ3Dの組み合わせは

当時の映画「タイタニック」でも一部使用され

高級なワークステーションで無くても十分使えることが

実証された時期でした。

シリコングラフィックスの製品たち

さて、前置きが長くなりましたが本命のsgiの話。

耐久消費財としてのコンピューターとしては

最高なコンピュータ達です。

それが今は無きSGI(シリコングラフィックス・クレイ 当時の社名)

のコンピューター。

(現在はヒューレットパッカードに買収され消滅)

グラフィックに特化したシステムが特徴で

ハリウッド映画のVFXなどでもよく使われたもので、

この当時の特撮映画のCGシェアは高い。

というかこの時代に

リアルタイムグラフィックス処理できるマシンは

民生用では無くスーパーコンピュータクラス。

今ではオープン標準規格グラフィックスAPIの

OpenGLの元となるIRIS GLを開発したメーカーでもあります。

当時、ハリウッドのCG制作では本当に良く用いられており、

ジョージルーカスのILMやキャメロンのデジタルドメインなど

大手CGプロダクションでの制作で圧倒的シェアを誇っていた。

(1987〜1995年のPCではリアルタイムレンダリングは不可能だった)

代表作は「ターミネーター2(液体金属で作られたT1000とか)」や「アビス」、

「タイタニック」でも使われた。

この当時、CGソフトはMAYAとライトウェーブ3Dを使っていましたが、

非常にネイティブに対応していて安定性も良かった。

このワークステーションは

IRIXというUNIXのMIPS用OSで動作します。

私は新規で購入したO2と中古INDYとOctane(爆音爆熱)を使ってました。

(この上位機種はONIXやオリジンサーバーなど解析用途のマシン)

(写真はMIPS R10000プロセッサー2基搭載 OctaneとINDY)

O2ワークステーション

私がまず欲しいと思えたのが、O2という機種。

形がすごく可愛いんですよ。

64ビットCPUのMIPS R10000を搭載したモデルで、

価格は200万くらい。

それに伴うIRIX用ソフトウェアがメチャ高くて

一番安くてAdobeの製品群、CGソフトなどは大台超えてるものが

多かった。

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SGIのWindows NTマシン

1990年代中期から後期、

パーソナルコンピューターの普及と

高性能化に伴ってSGIも傾いて行くのですが、

ニッチなサーバー分野ではまだまだ健在でした。

この当時、コンシューマー向けに

Windows NTマシンも登場させました。

SGIビジュアルワークステーション320です。

OSはWindowsNT、CPUはPentium3とXeonでした。

このシステムはグラフィックに独自性があり、

システムとメモリを共有するもので当時高価だったVRAMの

コストダウンを図ることにより低価格化を実現したモデルです。

実はO2の時から同じようなシステムになり当時としては画期的です。

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随分と安価になり手に入れやすくなりましたが、

何というか俗っぽくなっちゃったなぁ〜

と言うのが率直な感想でした。

実際使ってみても普通のWindowsマシンと

何ら変わる所はありません。

「SGIらしさ」を出そうとした部分も見受けられますが、

Windowsと言う雑多な世界では足枷になる部分も多く、

SGIの世界観とは相反するものでした。

泡沫無限

過度期のパソコンって新機能が次々搭載され、

性能も劇的に変化して

ちょっと夢がありました。

そんな回顧録でした。

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