
【衆院選】萩生田光一氏事務所が「非難声明」街頭演説中に他陣営が接近、大音量マイクで“妨害”
衆院選(投開票8日)の東京24区(八王子市の一部)に立候補している自民党の萩生田光一幹事長代行(62)が2日、八王子市内で街頭演説を行った際、同じ選挙区に立候補している無所属新人の候補者や陣営関係者が接近し、一時、混乱するひと幕があった。(yahooニュースより)
2月2日、八王子で何が起きたのか?
2月2日午後、八王子市内の駅前などで萩生田氏が街頭演説を行っていた際、当該氏本人が拡声器を手に陣営スタッフと共に至近距離まで接近しました。
- 現場の状況: 妨害者側が萩生田氏の演説内容に対して異議を唱える形で「カウンター演説」を開始。両陣営の支持者が入り乱れ、怒号が飛び交うなど一時騒然とした状況になりました。
- 警察の介入: 現場には多数の警察官が展開しており、両陣営が物理的に接触しないよう壁を作るなど、厳戒態勢が敷かれました。
演説妨害」および「選挙法違反」
この行為が「公職選挙法違反(選挙の自由妨害)」にあたるかどうかが焦点となっています。
- 自由妨害罪(公選法225条): 演説を執拗に遮ったり、拡声器の音量で内容をかき消したりする行為は、**「選挙の自由妨害」**に該当する可能性があります。
- 「つばさの党」判決の影響: 2024年の事件以降、警察および司法は「演説会場への接近」や「大音量での抗議」に対して非常に厳しい基準を適用しています。今回の件も、単なる「言論の自由」の範囲内か、あるいは「選挙活動の不当な妨害」にあたるのか、警察が慎重に記録をとっている状況です。
なぜこの様な人物が増えたのか
従来の選挙マナーや常識をあえて破り、激しい対立や妨害に近い形で活動する人物・団体が目立つようになった背景には、いくつかの構造的な理由があります。
これは日本だけの現象ではなく、世界的なポピュリズムの広がりとも共通していますが、日本特有の事情も絡み合っています。
1. SNSによる「怒りと対立」の収益化(ビジネスモデル化)
最も大きな要因の一つは「過激な言動が注目(インプレッション)を集め、それが直接的な利益や支持につながる」というネット社会の仕組みです。
- アテンション・エコノミー: アルゴリズムは「穏やかな正論」よりも「激しい怒りや対立」を優先して拡散します。
- 直接的な収益: YouTubeの広告収入や投げ銭、オンラインサロンへの誘導など、注目を浴びること自体が政治資金や生活費を生む「ビジネス」として成立してしまっています。
- 切り抜き動画の拡散: 演説を妨害したり詰め寄ったりする短い動画は「スカッとする」「権力と戦っている」として拡散されやすく、実態を知らない層にも「ヒーロー」のように映ることがあります。
2. 既存政治への深い絶望と「閉塞感」
多くの有権者が「どの政党に投票しても生活が良くならない」「既存の政治家は既得権益を守っているだけだ」という強い不満を抱えています。
- 「破壊者」への期待: 既存のルール(マナーを守る、静かに演説を聞く等)を破壊する姿は、政治に絶望している層にとって「自分たちの怒りを代弁してくれている」というカタルシス(解放感)を与えます。
- 陰謀論の浸透: 「裏で巨大な組織が日本を支配している」といった物語(陰謀論)を信じる層にとって、既存の政治家を激しく罵倒することは「正義の戦い」に変換されます。
3. 「成功体験」の模倣
NHK党(現・みんなでつくる党)や参政党、つばさの党などが、従来のやり方ではない「ニッチで過激な手法」で議席を獲得したり、数億円規模の寄付を集めたりしたことが、後続に「このやり方は有効だ」という成功イメージを与えてしまいました。
- 「マナーを守って無視されるより、ルールを破ってでも話題になった方が勝ち」という選挙のゲーム化が進んでいます。
4. 法の「グレーゾーン」の利用
日本の公職選挙法は「言論の自由」を尊重するため、演説の妨害に対する規制や警察の介入がこれまで非常に慎重(消極的)でした。
- 「これ以上やったらアウト」という境界線を探りながら活動する手法が定着してしまいました。
- ※ただし、2024年の「つばさの党」幹部逮捕以降、司法の解釈が厳格化し、この手法には大きなブレーキがかかり始めています。
5. 情報の分断(エコーチェンバー)
SNSのアルゴリズムにより、自分と似た意見の人ばかりと繋がることで、「自分の過激な言動は国民全体から支持されている」という錯覚に陥りやすくなっています。外部からの批判は「工作員の攻撃だ」と処理され、内輪でさらに過激化していく悪循環が起きています。
まとめ
こうした人物が増えたのは、「既存の政治が機能していないという不満」という乾いた野原に、「SNSというガソリン」が撒かれ、そこに「収益や承認欲求という火」がついた結果といえます。
2月8日の投開票に向けた八王子での混乱は、こうした「新しい政治闘争の形」と「法による規制」が真っ向から衝突している現場であると言えます。


コメント