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役人は○○なのか?保育士不足の悪化を推進

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【速報】幼稚園教諭の“賃下げ”案を市議会が否決 保育士不足で「教育保育職」に一本化狙うも現場から反発 滋賀・大津市

エラー

本日(2026年5月18日)、滋賀県大津市議会の本会議にて、市立幼稚園教諭の給与を実質的に引き下げる条例改正案が賛成少数で否決されました。

待機児童問題の解消を狙った市の方針に対し、現場の強い反発や「時代に逆行している」という批判が集まった結果です。この問題の背景と構造を整理しました。

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ニュースの概要と議会の判断

大津市は、幼稚園教諭の給与水準を保育士に合わせる形で引き下げる条例改正案を提出していましたが、5月18日の本会議で採決が行われ、賛成6人の少数で否決されました。 議会からは「現場の理解が得られていない」「(世の中が賃上げの流れにある中で)時代に逆行している」といった厳しい声が上がりました。

なぜ大津市は「一本化」と「賃下げ」を狙ったのか?

この背景には、大津市が抱える深刻なインフラ・労働力不足の課題があります。

待機児童数が2年連続で全国最多レベル

大津市は深刻な保育士不足に直面しており、待機児童問題が重大な地域課題となっています。

「教育保育職」への一本化

市は今年度(2026年度)から、幼稚園教諭と保育士の職種を統一し、人員を柔軟に相互配置(流動化)できる仕組みを導入しました。一本化に伴い、市は給与水準の統一を計画。しかし、保育士側に合わせる形をとったため、事実上の「幼稚園教諭の賃下げ」となりました。

現場が猛反発した「3つの争点」

この条例案に対しては、大津市教職員組合や現場から強い反対運動が起きていました。

給与表の変更による大きな減収

従来の幼稚園教諭は小学校の先生などと同じ「教育職給料表」(大卒初任給:約24万円)が適用されていましたが、保育士と同じ「行政職給料表」(大卒初任給:約22万円)へ移行する計画でした。中堅層(勤続12年目など)では、基本給や手当等の見直しで年間約40万円の減収になる試算もあり、退職金への影響も懸念されていました。

「保育士の処遇を上げるべき」という論理

現場や世論からは、「保育士不足を解消したいのであれば、幼稚園教諭を下げるのではなく、保育士の給与水準を教育職並みに引き上げる(賃上げする)べきだ」という指摘が相次ぎました。市は組合との合意(労使交渉の妥結)が得られないまま議会に法案を提出したため、プロセス自体への不信感も高まっていました。

大津市の待機児童数が2年連続で全国最多レベルなのは何故か

大津市で待機児童数が急増し、2年連続で全国ワーストレベルとなってしまった背景には、「想定を超えた人口流入」「深刻な保育士不足」、そして「独自の優しさが裏目に出たジレンマ」という3つの大きな要因が絡み合っています。

京都のベッドタウン化による「子育て世代の急増」

最も大きな要因は、民間による激しいマンションの建設ラッシュと子育て世帯の急流入です。

大津駅周辺やびわ湖沿いのエリアは、JRを使えば京都駅まで約10分、大阪駅へも30分強という利便性を誇ります。近年の京都の地価高騰も手伝い、「住むなら大津へ」という現役世代が急増しました。移住してきた世帯の大半が共働きだったため、行政の需要予測をはるかに上回るスピードで保育の申し込みが殺到しました。

施設はあっても「保育士」が足りない

大津市も保育園の枠(受け皿)を増やそうと動いてはいますが、肝心の「人」が致命的に不足しています。

近隣の京都市や他の自治体、あるいは民間企業との間で保育士の奪い合いが起きています。 ハードウェア(園舎)があっても、国が定める配置基準を満たすための保育士が揃わないため、「定員に空きがあるのに、これ以上子どもを受け入れられない」という実質的な制限がかかっています。

「手厚い配置ルール」がもたらす皮肉なジレンマ

大津市ならではの特有の原因として、子どもへのケアを手厚くしようとしたルールが、結果的に待機児童を生んでいるというパラドックスがあります。

市独自の加配ルールとは

大津市では、発達のサポートや個別の配慮が必要な子どもたちに対して、国よりも手厚く保育士を配置する基準(加配)を設けています。

子どもに寄り添う素晴らしい方針である一方、ただでさえ不足している保育士が特定のクラスに多く必要となるため、結果として「全体の受け入れ枠(一般枠)を絞らざるを得ない」という状況を招いてしまいました。

まとめ:まちづくりと福祉の「時間差」

この問題の本質は、「民間主導のスピード感ある住宅開発」と「行政による持続可能な福祉・人材確保」のタイムラグにあります。マンションは1〜2年で建ち、一気に数百世帯が移住してきますが、保育士を育て、確保するのにはそれ以上の時間がかかるため、その隙間に待機児童問題が噴出してしまった形です。

市が「幼稚園教諭と保育士の一本化(教育保育職)」を急いだのも、この歪みを1日でも早く解消し、人員を柔軟に融通し合えるようにしたかったという切実な狙いがあったからだと言えます。

職種の一本化自体は進められているものの、今回の給与改定案が否決されたことで、市は「一本化された職種の中で、どのように整合性のとれた処遇を再設計するか」という難しい舵取りを迫られます。

保育士不足と待機児童の解消という根本的な課題が残る中、現場のモチベーションを落とさずに信頼関係を再構築できるかが今後の焦点となります。

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