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登山でのヒートテックはなぜNG

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汗冷え(あせびえ)の怖さ

登山において「ヒートテックを避けるべき」と言われる最大の理由は、「汗冷え(あせびえ)」による低体温症のリスクがあるからです。

街中では非常に温かく便利なヒートテックですが、登山の環境下では「命に関わるデメリット」に変わることがあります。その具体的な理由を3つのポイントにまとめました。

ユニクロ ヒートテックインナー

素材は39% ポリエステル,32% アクリル,21% レーヨン,8% ポリウレタン

1. 「レーヨン」が水分を溜め込んで乾かない

ヒートテックの素材には、多くの「レーヨン」が含まれています。

  • 特徴: 手触りが良く吸水性に優れていますが、「非常に乾きにくい」という性質があります。
  • 山でのリスク: 登山でかいた大量の汗を吸ったレーヨンは、いつまでも濡れたまま肌に張り付きます。これが外気にさらされると、体温を急激に奪う「冷たい濡れ雑巾」を身に着けているような状態になり、体力消耗や低体温症を招きます。

2. 「吸湿発熱」が運動中には逆効果

ヒートテックは、体から出る微量な水蒸気を熱に変える「吸湿発熱」という仕組みを利用しています。

  • 街での役割: じっとしている時に体を温めてくれます。
  • 山でのリスク: 激しく動く登山では、体が発熱している上にウェアもどんどん熱を発するため、過剰に汗をかいてしまいます。結果として「汗をかきすぎる → ウェアが保水限界を超える → 急激に冷える」という悪循環に陥ります。

3. 速乾性(ドライ性能)の不足

登山専用のアンダーウェア(ベースレイヤー)は、「汗を吸う」ことよりも「汗を肌から遠ざけ、素早く蒸発させる」ことを最優先に設計されています。 ヒートテックはあくまで日常の防寒着であり、スポーツのような大量の汗を処理する設計にはなっていないため、過酷な山の環境には適しません。

登山のプロが選ぶ代わりのインナー

本格的な登山や、冬の低山ハイクに行く場合は、以下の素材を選びましょう。

素材特徴おすすめのシーン
高機能化繊(ポリエステル)驚異の速乾性。 汗を即座に乾かす。運動量が多い登山、夏山
メリノウール濡れても冷たくない。 天然の防臭効果も高い。冬山、長期縦走、寒がりな人
ドライレイヤー(メッシュ)肌を常にドライに保つ。インナーの下に着る。汗っかきな人の汗冷え対策

代表的なおすすめブランド:

  • モンベル(mont-bell): 「ジオライン」や「スーパーメリノウール」
  • ミレー(Millet): 「ドライナミックメッシュ」(通称アミアミ)
ドライナミック メッシュ
  • ファイントラック(finetrack): 「ドライレイヤー」
ドライレイヤー

登山ウェアの基本は、「3層構造(3レイヤー)」で考えるのが鉄則です。

1. 登山の基本「3レイヤー」の役割

ウェアを役割ごとに分けることで、汗や天候の変化に柔軟に対応できます。

レイヤー名役割適した素材・アイテム
ベースレイヤー汗を素早く吸い上げ、乾かすポリエステル(化繊)、メリノウール
ミドルレイヤー保温しつつ、湿気を外に逃がすフリース、薄手のインサレーション
アウターレイヤー雨・風から身を守るレインウェア、ハードシェル、ウィンドブレーカー

【重要】 これに加えて、休憩中に着る「防寒着(ダウンなど)」をザックに忍ばせておくのが登山の基本スタイルです。

2. おすすめの具体的モデル(ベースレイヤー)

「ヒートテックはやめよう」と思った際、最初の一枚として間違いないモデルを厳選しました。

① 迷ったらこれ:モンベル「ジオライン」シリーズ

日本が誇るコスパ最強の速乾インナーです。

  • 特徴: 驚異的な速乾性があり、汗をかいてもすぐにサラサラになります。
  • 選び方: 夏や運動量が多いなら「L.W.(薄手)」、春・秋は「M.W.(中厚手)」、冬山なら「EXP.(厚手)」が目安です。

② 臭わず温かい:モンベル「スーパーメリノウール」

天然素材のウールを使用した、冷え性の強い味方です。

  • 特徴: 濡れても急激に冷えにくく、数日間着続けても驚くほど臭いません。
  • 選び方: 泊まりの登山や、冬の低山歩きに最適です。

③ 汗冷えを徹底的に防ぐ:ミレー「ドライナミックメッシュ」

通称「アミアミ」と呼ばれる、網タイツのような見た目のインナーです。

  • 使い方: この上に普通のベースレイヤーを着ます。
  • 特徴: 網目が肌とウェアの間に隙間を作り、汗を上の層へ強制的に移動させます。汗かきな方には「人生変わった」と言われるほど評価が高い名作です。

3. 失敗しないレイヤリングの「コツ」

モデル選びと同じくらい大切なのが、現場での「着脱」の工夫です。

  • 「少し寒い」くらいで歩き出す: 歩き始めるとすぐに体温が上がります。出発前に「ちょうどいい」と感じる厚着だと、15分後には汗だくになってしまいます。
  • 「汗をかく前」に脱ぐ: 「暑いな」と感じたら、面倒でもすぐに立ち止まって1枚脱ぐのがプロの鉄則です。
  • 首・手首・足首を調節する: ジッパーを下げたり、袖をまくったりするだけで体温調節はかなり可能です。
  • 休憩時は「冷える前」に着る: 山頂で立ち止まった瞬間に体温は下がり始めます。汗が冷える前に、すぐ防寒着を羽織りましょう。

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