穂高連峰を満喫できるルート
穂高縦走とは
北アルプスの穂高連峰(主峰は奥穂高岳)
を縦走する事を言います。
日本で3位の高峰で、その荒々しい岩稜と岩塊に
魅了される登山者は多いし、登山者として
ここを目指している人も多いでしょう。
昨今ではユーチューブなどでも紹介され、
人気ルートである穂高縦走。
山の雑誌でもよく特集は組まれていますが、
僭越ながら私も少し語ってみたいと思います。
どれだけ登山者に伝わるのかは分かりませんが、
宜しくお付き合いください。
飛騨の山岳史と岳人
歴史的に見れば
大正4年に飛騨山岳会の中野善太郎がガイド今田由勝と
奥穂高~西穂高を初縦走に始まります。
中野善太郎は前年に日本山岳会・小島烏水らと双六谷の遡行に同行。
今田由勝は飛騨の名ガイドと言われ、穂高岳山荘を建設した
今田重太郎とは兄弟(兄)に当たります。
藤木九三が滝谷初登攀の10年も前の事です。
この時代、飛騨の岳人の活躍は目覚ましく、
明治41年に飛騨山岳会は創設しています。
(日本山岳会に次ぐ2番目の山岳会)。
飛騨山岳会と日本山岳会両方に在籍した私的には、
先人が歩いたこのルートは思い出深いものである。
自分が初めてこのルートを歩いたのは、山を始めて3年後の事です。
テントを担いでのソロ山行での縦走でした。
その後も、足しげく通い穂高の素晴らしさを
堪能してきました。
現在は飛騨を離れ、遠ざかりつつありますが、
今年は何とか。
穂高縦走の概要
ルートについてご紹介します。
南岳~西穂山荘までの主稜線を穂高縦走と定義しますが、
前穂高や明神、蒲田富士なども穂高連峰になります。
西奥~奥西、どちらも登りましたが、個人的には
西穂から奥穂のルートが高揚感があって好きです。
半面、登山後のアクセスを考えると西穂終着の方が
下山が楽というメリットがあります。
アップした写真は全て私の撮影ですが、
登攀に夢中ゆえ、ベストショットが
少ないので悪しからず。
南岳小屋をスタートし大キレットへ
南岳小屋直ぐ「獅子鼻」と言われる稜線端部から
最低のコルへ下降します。
鎖と梯子による下降ですが、なぜか私的には雨の日が多い印象。
濡れた岩場は結構手に汗握ります。雨は晴れた日のそれとは
全く別物であることを覚えておいてください。
基本的にマーキングや鎖などはありますが、
「当てにしすぎない」が安全登山の鉄則です。
最低のコル〜長谷川ピーク〜飛騨泣き
大キレットの核心部です。
非常に事故の多い場所なので細心の注意が必要です。
その中でも飛騨泣きと言われる箇所は
急峻な上に、
登山者同士のすれ違いも困難ですので、
譲り合いで行きましょう。
北穂小屋から穂高岳山荘
北穂小屋
この小屋は休憩場所にはいい所。
テラスから涸沢を眺めながらコーヒーはいかが?
北穂〜涸沢への登り
ここは核心部です。
2021年の北アルプスで発生した地震
(山頂付近は震度4~5程度)
で公務員の男性が落石の下敷きになり亡くなっている。
岩も脆いのと蒲田富士への踏み跡へ迷い込まないように。
穂高岳山荘から天狗の頭へ
山荘から奥穂高山頂へ
馬の背とロバの耳
馬の背はナイフリッジになった高度感満点の難所。
鎖などはないので3点支持で一歩一歩進もう
ロバの耳は岩陵である。
ここから先はこう言った岩の山の連続になる。
気を緩めると浮石に体を持っていかれたり、
スリップも起こしやすい。
ジャンダルム
ジャンダルムは標高3,163mの奥穂高の前衛峰。
基本的に信州側から巻くが、飛騨尾根などアルパインクライミング
で上り詰めることも出来ます。
天狗の頭へ
ここから天狗のコルへ一気に降ります。
そして一気に登り返します。
ここらでは集中力や体力も落ちてきますが、
難関が続きますので頑張りましょう。
天狗のコルからは岳沢へのエスケープルートがありますが、
ザレている上に荒れてますのでお勧めしません。
この辺りビバークポイントが所々あります。
天狗のコルの避難小屋跡も平らなので良いポイントです。
(水場はないので切らさないように注意)
天狗岳(天狗の頭)
天狗岳は2,909m。どちらかと言うと途中通過点。
余りここで腰を据えて休んだ記憶がありません。
この地点を通過すると、
名所「逆層のスラブ」が現れる。
天狗の頭から西穂高岳へ
間点のコル
登ったと思ったら急激な下り。
この繰り返しになります。
間ノ岳
間ノ岳は2,907mの穂高連峰の山。
この付近はとにかく「浮石」が多く注意。
西穂高岳山頂から西穂山荘へ
ここから山荘間で結構事故が多いのが、
独標直下のコル。
私はここで転けた人間と西穂沢を滑落した人間を知ってます。
ストックはザックに括り付け手に持たない。
確実に3点確保できるように両手両足はフリーに。
西穂山荘
重要なポイントはロープウェイの時間をチェック。
小屋とロープウェイ駅は、1時間程度かかります。
最終は意外と早いので余裕を見ましょう。
参考コースタイム
以下のコースタイムはある日のタイムです。
(あくまで参考です)
槍ヶ岳山荘6:0~大喰岳~中岳6:54~南岳7:43~南岳小屋7:49~
長谷川ピーク9:24~A沢のコル9:33~北穂小屋10:38~涸沢岳12:08~
穂高岳山荘12:20(泊)
穂高岳山荘6:10~穂高岳山頂6:42~
ジャンダルム7:38~天狗のコル8:~天狗岳9:03~間の岳9:38~西穂高岳10:36
~ピラミッドピーク11:16~独標11:45~西穂山荘12:17~
ロープウェイ西穂口駅12:55~新穂高
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