
北見市の財政危機報道
最近、マスコミなどで報道されています北海道の北見市。新庁舎建設の債務が伝えられています。
北見市の財政状況と新庁舎建設費をめぐる問題について、現在の状況を整理して解説します。
北見市は現在**「非常に厳しい財政状況」**にあり、2025年(令和7年)度以降、毎年約30億円の収支不足が生じると見込まれています。新庁舎建設はその要因の一つとして市民から批判の対象になることがありますが、危機の背景にはより構造的な問題が絡み合っています。
1. 新庁舎建設費の実態
2021年に完成した北見市の新庁舎については、以下の数字がポイントです。
- 総事業費: 約118億円
- 財源の仕組み: 費用の約7割(約83億円)に**「合併特例債」**という地方債が活用されました。この借金は、後から国が元利償還金の70%を「地方交付税」として手当てする非常に有利な条件のものです。
- 批判の理由: 「実質負担が少ない」という説明で建設が進められましたが、市全体の財政が困窮する中で、「これほど立派な建物が必要だったのか」「維持費が重荷になるのではないか」という市民の不満が高まっています。
2. 財政危機の真の原因
新庁舎の建設費だけで破綻したわけではなく、複数の要因が重なっています。
- 「平成の大合併」の副作用: 2006年に1市3町(端野・常呂・留辺蘂)が合併し、道内最大の面積を持つ自治体となりました。その結果、広大な範囲の道路、水道、公共施設の維持管理コストが膨大になりました。
- ハコモノの乱立: 新庁舎以外にも、中央図書館(約35億円)や武道館、市民プールなど、有利な補助金(合併特例債)を使って多くの大型施設を建設しました。これらすべての**「維持管理費」**が現在、市の予算を圧迫しています。
- 基金(貯金)の底突き: これまで収支不足を補うために「財政調整基金」という貯金を取り崩してきましたが、それが2026年度には底を突く見通しとなっています。
- 社会保障費の増大: 少子高齢化に伴い、介護や福祉にかかる費用が年々増加しています。
3. 今後の市民生活への影響
市は現在、**「北見市財政健全化計画」**を策定し、なりふり構わぬコスト削減に乗り出しています。
北見市の財政健全化計画に基づき、2025年から2026年にかけて予定されている主な市民サービスの値上げ・負担増を一覧にまとめました。
特に大きな影響があるのは、**「公共施設の使用料」と「指定ごみ袋」**の2点です。
1. 市民サービス・公共料金の値上げ一覧
| 項目 | 改定(予定)時期 | 内容・改定率 | 具体的な金額例 |
| 公共施設使用料 | 2025年10月〜 | 現行の最大1.5倍 | 公民館、住民センター、体育館、市営プール、遊園地などの利用料 |
| 指定ごみ袋 | 2026年10月〜 | 現行の1.5倍 | 大サイズ10枚:900円 → 1,350円 15L袋1枚:30円 → 45円 |
| 事務手数料 | 2025年10月〜 | 原価に基づき見直し | 各種証明書の発行手数料など |
| 水道・下水道料金 | 検討中 | 経営状況により今後議論 | 老朽化対策等による引き上げの可能性 |
ポイント: 施設使用料は2025年、ごみ袋は2026年と、時期が分かれています。ごみ袋については「買いだめ」を防ぐため、現行のデザインのまま価格だけが上がる仕組み(差額証紙などは不要)になる予定です。
2. 廃止・削減される主なサービス
料金が上がるだけでなく、これまで当たり前だったサービスが削減・廃止されます。
- 施設の廃止・休止:
- 市営浴場(北見・留辺蘂など): 老朽化に伴い順次廃止。
- 公園の噴水・徒渉池: 維持管理費削減のため、一部で運転停止。
- 温根湯温泉の観光施設: 一部施設の運営見直しや廃止。
- 管理業務の縮小:
- 市営住宅の草刈り: 市による一括実施を廃止し、住民による管理へ移行。
- 街路灯の維持: LED化によるコスト削減を徹底。
- 補助金・イベントの削減:
- 各団体への補助金を一律または大幅にカット。
- 市の主催イベントの規模縮小や有料化。
3. なぜここまで厳しいのか?
北見市は、今後3年間で約30億円の収支不足を解消しなければならない非常にタイトなスケジュールにあります。
- ふるさと納税への依存: 2025年度は50億円という高い目標を掲げていますが、これが未達に終わると、さらなるサービス削減が必要になる恐れがあります。
- 「第2の夕張」への危機感: 貯金(財政調整基金)が2026年度には底を突く見通しのため、市民に痛みを伴う改革を急いでいる状況です。
北見市は「第2の夕張(財政再生団体)」になることを避けるため、今後3年間で約30億円の収支改善を目指すとしていますが、市民サービスの低下は避けられない状況です。
深刻な財政難に陥った北見市の現状 この動画では、北見市がなぜこれほどの財政難に陥ったのか、合併の歴史や新庁舎への市民の反応を含めて詳しく報じられています。
深刻な財政難に陥った人口11万人の北海道北見市 来年度から毎年30億円の収支不足の見通しも…“合併の副作用”に苦悩する中核都市 – YouTube

全国の自治体の状況は
「財政調整基金(自治体の貯金)」の残高が少なく、枯渇の懸念がある自治体の最新動向についてまとめました。
「財政調整基金」は、災害時や税収減などの急な支出に備えるための貯金です。これが枯渇するということは、予期せぬ事態への対応力が失われ、「財政破綻」のリスクが高まっていることを意味します。
補足: 貯金額の「総額」だけでなく、**「人口1人あたりの残高」や「標準財政規模に対する割合」**で比較すると、地方の小規模自治体が上位(ワースト)に来ることが多いです。
2025年現在の状況
1. 「ゼロ」に近い自治体の実態
全国には、財政調整基金が数千万円〜数億円程度(大規模な市としては極めて少ない額)しかない自治体が複数存在します。これらは、一度の大きな自然災害や公共施設の緊急修繕が発生しただけで、予算が組めなくなる「実質的な枯渇」のリスクを抱えています。
2. 物価高と社会保障費のダブルパンチ
2024年度以降、特に深刻なのが以下の理由です。
- 建設資材・エネルギー価格の高騰: 公共事業や維持管理費が予算を圧迫。
- 扶助費(福祉関係費)の増大: 高齢化が進む自治体では、貯金を切り崩して医療・介護費に充てる構造になっています。
3. 政令指定都市の苦境
かつては安定していた都市部でも、インフラ(橋や道路、学校)の老朽化による更新費用が数千億円単位で必要となっており、京都市のように「貯金を取り崩し続けて底が見える」という事態が他都市でも危惧されています。
2026年度に「枯渇・大幅不足」が懸念される主要自治体
2026年度(令和8年度)に向けた自治体の財政状況について、最新の動向を整理しました。
2026年度は、コロナ禍の特例的な財政支援が完全に終了し、「物価高騰」と「社会保障費の増大」が本格的に地方自治体の貯金(財政調整基金)を直撃する年になると予測されています。
各自治体の「中期財政計画」や「予算編成方針」で、特に厳しい数字が出ている場所です。
| 自治体名 | 2026年度(令和8年度)の予測・状況 |
| 静岡県 | 526億円の財源不足。貯金を取り崩しても足りず、事業の「休止・廃止」を検討するレベル。 |
| さいたま市 | 243億円の財源不足。過去2番目の規模。基金の取り崩しに加え、借金(市債)の増額を検討。 |
| 熊本県 荒尾市 | 2026年度を待たず枯渇の見通し。競馬場跡地再開発などの大型投資と物価高が直撃。 |
| 福井県 福井市 | 18.6億円の財源不足。市は「極めて厳しい状況」と公式に発信し、事業見直しを加速。 |
| 大阪府 河内長野市 | 基金枯渇のデッドライン。2026年度前後に貯金が底をつく試算が以前から継続。 |
| 京都府 京都市 | 2026年度時点では改革により最悪の事態は回避予定。ただし基金残高は低水準のまま。 |
最新の予算編成や試算において、特に厳しい状況が報じられている自治体の例です。
1. 静岡県(財源不足 約526億円)
2026年度の予算編成において、当初640億円の財源不足が試算されました。徹底した経費削減により526億円まで縮減したものの、依然として巨額の赤字が見込まれています。基金の取り崩しによる対応が限界に近づいており、行財政改革が急務となっています。
2. 大阪府 河内長野市(基金枯渇の懸念)
以前から「2026年度前後には財政調整基金が底をつく可能性がある」という厳しい試算が出されています。少子高齢化による市税収入の減少と、扶助費(福祉予算)の増大が主な要因です。
3. 京都府 京都市(再建中)
一時期「2025年度にも財政破綻の恐れ」と言われましたが、大規模な行財政改革により、2026年度時点では即座の枯渇は回避できる見通しです。ただし、依然として借金(公債)の返済負担は重く、予断を許さない状況が続きます。
2026年に向けた「貯金枯渇」のリスク要因
2026年度のランキングや財政予測において、以下の3つの要素が自治体の貯金を削る主要因となっています。
| 要因 | 内容と影響 |
| 社会保障費のピーク | 団塊の世代がすべて75歳以上となる「2025年問題」の影響が、2026年度の決算にフルで現れます。 |
| 公共施設の更新時期 | 高度経済成長期に建てられた学校や公営住宅、橋などの一斉更新時期が重なり、巨額の支出が発生しています。 |
| 物価・人件費の高騰 | 建設資材や電気代の上昇、公務員給与の引き上げ勧告などが、自治体の固定費を押し上げています。 |
自治体の財政健全度をチェックする指標
ランキング等を見る際、以下の指標が「2026年の危うさ」を測る基準になります。
- 実質公債費比率: 借金の返済負担率。**18%**を超えると危険信号(地方債発行に許可が必要)。
- 財政力指数: 1.0に近いほど自前の財源が豊富。0.5を下回ると非常に厳しいとされます。
- 財政調整基金の「標準財政規模」に対する割合: 一般的に、標準財政規模の**10%〜20%**程度の積み立てが理想とされます。これ以下で推移している自治体は、2026年度の突発的な災害等に対応できないリスクがあります。
- 実質公債費比率(家計でいう「借金返済の割合」)
- 25%以上で「早期健全化(イエローカード)」
- 35%以上で「財政再生(レッドカード=破綻)」
- 将来負担比率(家計でいう「ローン残高の総額」)
- 市区町村は350%以上、都道府県は400%以上でイエローカード
注記: 2026年度の正確な決算データが出るのは2027年以降ですが、現在は各自治体が「中期財政計画」の中で2026年の予測数値を公表しています。
なぜ「2026年」に枯渇の危機が集中するのか?
2026年は、以下の3つのマイナス要因が重なる「三重苦」の年と言われています。
- 「2025年問題」の決算反映
- 団塊の世代が全員75歳以上になった直後の年度であり、介護・医療費(扶助費)の自治体負担が過去最大規模に膨れ上がります。
- コロナ特例措置の完全消滅
- コロナ禍で国から配分された巨額の「地方創生臨時交付金」による下支えがなくなり、自前でのやり繰りを余儀なくされます。
- 物価高・人件費高騰の累積
- 2022年頃から始まった物価高騰と、近年の公務員給与引き上げの影響が累積し、2026年度の固定費を大きく押し上げています。
財政危険度が高いとされる自治体(実質的なワースト傾向)
現在、多くのメディアや専門家が「実質公債費比率」や「将来負担比率」の高さ、さらに「人口減少による税収減」を掛け合わせて分析しているランキングから、上位に挙がることが多い自治体を紹介します。
1. 財政指標が厳しい主な自治体
※数値は年度により変動しますが、近年のワースト圏にある自治体です。
| 自治体名 | 状況・主な理由 |
| 北海道 夕張市 | 唯一の財政再生団体。現在も国主導で借金を返済中。 |
| 大阪府 田尻町 | 関空の対岸。かつて将来負担比率が全国ワースト級だったが、改善傾向。 |
| 北海道 占冠村 | リゾート開発に関連する債務負担が極めて重い時期があった。 |
| 兵庫県 赤穂市 | 公立病院の経営不振や下水道事業の債務が重荷。 |
| 秋田県 上小阿仁村 | 人口減と高齢化により、税収に対して維持管理費が過大。 |
| 奈良県 上北山村 | 人口減が激しく、公債費(借金返済)の負担率が高い。 |
| 青森県 今別町 | 人口規模に対して、インフラ維持や除雪費などのコストが重い。 |
| 群馬県 下仁田町 | 人口減に伴い将来負担比率が上昇傾向。 |
| 新潟県 粟島浦村 | 小規模自治体特有の、一時的な大型事業による比率の跳ね上がり。 |
| 京都府 京都市 | かつて「破綻の危機」と市長が発言。徹底した行財政改革で現在は持ち直しつつある。 |
【注意】 数値が高いからといって、即座に「明日倒産する」わけではありません。一時的な大型公共事業(学校の建て替えや病院建設)で数値が一時的に悪化するケースも多いため、単年のランキングだけで判断するのは禁物です。
近年注目される「本当の危険」:将来財政窮乏度
最近では、現在の借金だけでなく「将来、どれだけ住民が減って税収がなくなるか」を加味したランキング(ダイヤモンド・オンライン等の独自試算)が注目されています。この基準では、以下の自治体が上位(危険)にランクインする傾向があります。
- 河内長野市(大阪府):急激な人口減少と高齢化により、将来の財政が非常に厳しいと予測されています。
- 三浦市(神奈川県):首都圏にありながら人口流出が止まらず、観光頼みの財政基盤が課題です。
- 大月市(山梨県):都心への通勤圏ながら、若年層の減少による将来不安が指摘されています。
まとめ:あなたの街は大丈夫?
自治体のホームページでは「財政比較分析表」が公開されています。もしご自身の住む自治体が以下の状態であれば、将来的に行政サービス(ゴミ収集、水道料金、補助金など)が悪化するリスクがあります。
- 実質公債費比率が18%を超えている(地方債発行に許可が必要になるライン)
- 財政調整基金(貯金)が底をつき始めている
- 公立病院や下水道事業が赤字続きである
参考リンク 総務省:地方財政状況調査(令和7年版)
財政力指数とは?
財政力指数(ざいせいりょくしすう)は、地方公共団体の財政力を示す指標です。
1.0以上:その自治体は自前の収入で必要な行政サービスを賄える → 地方交付税の交付対象外 1.0未満:国からの財政支援(地方交付税)が必要 → 交付対象 全国平均は概ね 0.49前後(令和4年度時点)で、東京都のみが1.0超という状況です。
経常収支比率とは?
地方公共団体の財政構造の柔軟性を示す指標で、 毎年度経常的に支出される義務的経費(人件費・扶助費・公債費など) に充てられる一般財源が、経常的に収入される一般財源総額に占める割合を表します。 計算式は次の通りです:
最新データの傾向(令和7年度)
総務省や自治体データによると、都道府県平均は0.49程度で横ばい。 政令指定都市では、川崎市・名古屋市・さいたま市などが 1.0前後~1.06程度で比較的高い水準。 一方、地方の町村部は 0.2~0.3台と低く、財政的に厳しい状況が続いています。
ポイント 財政力指数は地方交付税の算定基準として重要。 高いほど財政的に自立しており、低いほど国の支援に依存。 地方分権や財政健全化の議論で必ず登場する指標。
将来負担比率とは?
地方公共団体が将来にわたって負担する可能性のある債務の大きさを、財政規模に対する割合で示す指標です。 簡単に言えば、自治体の財政にどれだけ将来の借金リスクがあるかを測るものです。
将来負担すべき負債額には以下が含まれます: 地方債残高 債務負担行為に基づく支出予定額 公営企業や一部事務組合への負担見込額 退職手当支給予定額 出資法人等の負債保証分 など ここから、充当可能な基金や特定財源を控除して算出します。
意味と重要性 比率が低いほど:将来の財政負担が少なく、健全性が高い 比率が高いほど:将来の返済負担が重く、財政運営に制約が生じる可能性が高い 早期健全化基準:市町村で 350%、都道府県で 400% → この基準を超えると、国の関与による財政健全化計画が必要になります。
最新データの傾向(令和6年度) 総務省の統計によると、全国平均は約169%前後(都道府県別)で推移。 高い自治体では **兵庫県315%、北海道304%、新潟県297%**などが上位。 一方、東京都は 約37%と非常に低く、財政余力が大きい状況です。
ポイント 将来負担比率は、現時点の借金だけでなく、将来発生する可能性のある負担も含めるため、財政リスクを総合的に把握できる指標。 公共施設整備やPFI事業など、長期契約を伴う事業が多い自治体では比率が高くなりやすい。 財政健全化法に基づき、毎年度公表され、自治体間比較や健全化判断に活用されます。
ラスパイレス指数とは?
ラスパイレス指数(Laspeyres Index)は、基準時点の数量構成を固定したまま、価格変動による総支出の変化を測る指標です。 もともとは物価指数の計算に使われる統計手法ですが、日本では国家公務員と地方公務員の給与水準比較にも用いられています。



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