PR

スパイ防止法の必要性

スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク

はじめに


「スパイ防止法」の必要性は、主に日本の国家機密と安全保障を外国勢力から守るために主張されています。現在、日本にはスパイ行為そのものを包括的に処罰する法律がないため、「スパイ天国」だと指摘されることが、必要性を訴える主な論拠となっています。

スポンサーリンク

スパイ防止法が必要とされる主な理由

総合的なスパイ行為の取り締まり(「スパイ天国」の払拭)

現在、日本で国家機密が漏洩した場合、公務員であれば「国家公務員法」や「地方公務員法」の守秘義務違反、防衛・外交に関わる機密情報であれば「特定秘密保護法」で処罰できます。 しかし、これらは以下の点で不十分だと指摘されています。
特定秘密保護法:対象が特定秘密(防衛・外交・特定有害活動・テロ活動の4分野)に限られ、それ以外の幅広い公的情報や、特定秘密指定前の情報は対象外です。
民間人への罰則の限定:公務員から情報を聞き出した外国のスパイ(民間人)を摘発し、重く処罰できる規定が不十分です。現在の法律では、スパイ行為の動機や目的、外国政府との関係を立証し、直接的に処罰することが困難です。
スパイ防止法は、外国政府の指示を受けて国家機密を盗んだり、国内の世論や政治に悪影響を及ぼす活動(特定有害活動)をしたりしたすべての人に対し、包括的かつ重い罰則を設けることを目的としています。

サイバー空間での脅威への対応

外国の勢力がサイバー攻撃を通じて、政府機関や企業のサーバーに侵入し、大量の機密情報を抜き取ったり、インフラを破壊したりするケースが増えています。 「スパイ防止法」は、古典的な「人による情報収集」だけでなく、こうしたサイバー空間での諜報活動にも対応できる法整備が必要だとされています。

他国との情報共有の円滑化

アメリカやヨーロッパの主要国には、包括的なスパイ防止法が存在します。日本に機密情報を保護するための強固な法制度がない場合、同盟国から重要な機密情報が提供されにくくなるという外交上、安全保障上の問題が生じる可能性があります。強固な法規制は、国際的な信頼を得るために必要だとされます。

スポンサーリンク

スパイ防止法の制定をめぐる懸念

一方で、「スパイ防止法」の制定には、国民の権利や自由を侵害することへの強い懸念から、過去に何度も議論が立ち消えになってきました。

経緯

日本で「スパイ防止法」が成立に至らなかった経緯は、主に1980年代の法案提出とその後の廃案に遡ります。この議論は、形を変えて2013年の特定秘密保護法の制定に至り、近年再び包括的なスパイ防止法として議論が再燃しています。

1980年代の「スパイ防止法案」(廃案)

提出の背景

1980年代初頭、防衛庁(当時)の秘密文書漏洩事件などが相次ぎ、日本の情報保全の甘さが国際的にも国内的にも問題視されました。これを受け、スパイ行為を取り締まる法律の必要性が高まりました。

法案の内容と反対運動

「国家秘密に係るスパイ行為等の防止に関する法律案」
提出時期: 1985年(昭和60年)、中曽根康弘内閣時代に自民党議員らによって議員立法として国会に提出されました。

内容: 主に外交・防衛に関わる「国家秘密」の探知、収集、外国への通報などを処罰の対象とし、最高で死刑を含む重い罰則が盛り込まれていました。
廃案の経緯:
野党(社会党など)や日本弁護士連合会(日弁連)、法曹界、言論界(マスコミ)から「秘密の定義が曖昧で広範にすぎる」「国民の知る権利や表現の自由を侵害する」「行政の恣意的な運用により、密告・監視社会を生む」といった猛烈な反対運動が起こりました。
この強い反発により、国会での審議入りすらできず、結局、審議未了で廃案となりました。

スポンサーリンク

2013年「特定秘密保護法」の成立

1980年代のスパイ防止法案の議論が停滞した後も、機密情報漏洩対策の必要性は残り続けました。

国際的な情報共有の必要性の高まりや、アメリカからの情報保全強化の要請などを受け、自民党が中心となって新たな法案を作成しました。
目的: 防衛、外交、特定有害活動(スパイ行為など)、テロ活動の4分野に限定した「特定秘密」の保護を目的としました。

成立: 2013年12月に「特定秘密の保護に関する法律」が成立しました。
特定秘密保護法は、機密を「漏らした」公務員を処罰する体制を強化しましたが、「盗みに来たスパイ(民間人)」そのものを包括的に処罰する法律ではないため、依然として「スパイ防止法」の代わりとしては不十分だと指摘されています。

スポンサーリンク

近年の「スパイ防止法」再燃の動き

近年、中国やロシアなどの情報工作の脅威が増していることを背景に、「特定秘密保護法」ではカバーできない包括的なスパイ防止法の制定を求める動きが再燃しています。

推進勢力: 自民党の一部(高市早苗氏など)、日本維新の会、国民民主党、参政党などが、連立合意や独自法案の策定を通じて、諸外国と同水準の包括的なスパイ防止法の導入を提唱しています。

目的:
外国勢力による情報収集活動や選挙への悪影響を防ぐ。
外国勢力の活動登録制度などを新設し、透明性を高める。

議論の焦点: 再び、「国家の安全」と「国民の基本的人権・知る権利」のバランスをどう取るかという点が最大の論点となっています。
日本でスパイ防止法が過去に成立しなかったのは、「治安維持法」のような戦前の統制的な法律への反省や、人権侵害の懸念が強く作用したためと言えます。

スポンサーリンク

一般的な工作の手口

中国のスパイ活動は、標的に女性を近づけて親密な関係を作り、情報を引き出したり弱みを握ったりする「ハニートラップ」が有名だと指摘されています。
単なる男女関係だけでなく、優秀な通訳や海外の記者などを装い、接触を深めて個人的な情報や政治的な考えを探るなど、手口は多様化・巧妙化しているとも言われています。
ハニートラップは、日本だけでなく、アメリカやオーストラリアなど諸外国でも、中国情報機関が政治家や政府関係者をターゲットにした事例が公式な記録として確認されています。
政治家や政府関係者へのハニートラップは、相手に弱みを作らせ、機密情報や政治的な動向を把握することを目的としています。

スポンサーリンク

ハニートラップ

確証は無いものの、中国情報機関によるハニートラップ(色仕掛けによる情報収集)が、日本の国会議員やその関係者をターゲットにしたとされる疑惑は、過去に複数報じられています。
国会議員の中国人女性によるハニートラップ疑惑や
自民党所属の参議院議員の元秘書(中国籍女性)が、別の事件(持続化給付金の詐取など)で書類送検されたことが報じられた際、ハニートラップとの関連も一部で話題になりました。
IR汚職事件で逮捕された元衆議院議員の周辺でも、中国企業との関係や女性の関与が取り沙汰されました。

スポンサーリンク

海外の例

アメリカやオーストラリアなど諸外国でも、中国情報機関が政治家や政府関係者をターゲットにした事例が公式な記録として確認されています。

ご指摘の通り、アメリカやオーストラリアをはじめとする諸外国では、中国の情報機関が政治家や政府関係者を標的とした工作活動を行った事例が、当局によって公式に確認・摘発され、大きな問題となっています。

アメリカでの事例

アメリカでは、中国の情報機関によるスパイ活動の脅威について、FBI(連邦捜査局)やMI5(英国の国内情報機関)の長官らが異例の警告を発するなど、特に警戒が強まっています。

選挙介入の企て

中国政府を批判する候補者を当選させないため、ニューヨークで行われた下院選挙に直接介入しようとした事例がFBI長官の講演で言及されています。具体的には、元諜報員が探偵を雇い、候補者に関する不利な情報を調査させたり、女性を使ってスキャンダルをねつ造しようとしたりしたと報じられました。

人材獲得プログラム(「千人計画」)


アメリカ政府の資金を受けて研究を行っていたアメリカ人研究者が、その研究成果を中国に流出させていた事例が何件も摘発されています。これは、専門家や研究者を高額な報酬で引き抜き、技術や知識を盗み出す工作活動の一環です。
諜報機関員による情報提供:
2023年には、中国の国家安全省が、アメリカのCIA(中央情報局)と接触し、中国政府の極秘情報を提供していた中国中央政府機関の幹部職員を取り調べていると発表しました。この職員は、留学中にCIAのエージェントになるよう依頼され、帰国後も指示に従って情報提供と金銭の受け取りをしていたとされています。

オーストラリアでの事例

オーストラリアは、中国の政治工作の標的として特に警戒が強い国の一つです。

連邦議員への送り込み工作

中国系オーストラリア人の高級車ディーラーを政治工作員として利用し、オーストラリア連邦議会に送り込もうとしたとされる中国の試みについて、当局が捜査を進めたことが報じられました。
この種の工作は、外国勢力が政治家に献金などの形で接近し、議会や政策決定プロセスに影響力を行使しようとするものです。
外国籍者による議会インターンの禁止:
野党議員をめぐるスキャンダルなど、中国政府に関連した政治工作活動が問題となった結果、オーストラリア政府は選挙法を改正し、外国政府に関連した政治活動の届け出を強化しました。また、機密情報に触れる可能性があった外国籍者による議会インターンを禁止するなど、セキュリティ対策を強化しています。

スポンサーリンク

日中友好議連

日中友好議員連盟(日中友好議連)は、主に中国との関係を円滑に進めるための「パイプ役」として機能していますが、一部でその活動や所属議員の行動について「中国共産党による対日政治工作に利用されているのではないか」という疑念や警戒が報じられることがあります。

中国情報機関による利用の懸念

米国側などから、中国共産党政権が日中友好議連を対日政治工作や情報収集のために利用している可能性があるとの警鐘が鳴らされてきたことが報じられています。
議員との個人的な関係を築き、日本の政策決定に影響を及ぼしたり、情報を引き出したりする「浸透工作」の懸念が指摘されています。

外交上のバランスとタイミング

議連の訪中が、中国軍機による領空侵犯など、日中間に緊張が高まっている時期と重なることがあり、「主権侵害について中国側へ強く言及したのか」といった批判や、中国への「配慮」が過剰ではないかという疑念が生じることがあります。

「友好」活動の定義と実効性
友好関係の維持や経済的なメリットを優先するあまり、人権問題や安全保障上の懸案(尖閣諸島問題など)について、中国政府に対して毅然とした態度を取れていないのではないか、という見方があります。

会長は自民党の大物議員

日中友好議連は、長らく林芳正元外務大臣が会長を務め、
2023年4月には二階俊博元自民党幹事長が新会長に就任、2024年1月に森山裕氏が会長に就任しています。
日中友好議連は、超党派の多くの国会議員が所属しており、日中間の交流や意思疎通の貴重な窓口としての側面も持っていますが、その役割の性質上、常に中国政府との関係の「透明性」が求められています。

在中国日本大使館(友好議連訪中記事)

役員

会長:森山裕(自由民主党/衆議院議員)

副会長:岡田克也(立憲民主党/衆議院議員)、海江田万里(立憲民主党/衆議院議員)、赤羽一嘉(公明党/衆議院議員)、志位和夫(日本共産党/衆議院議員)、古川元久(国民民主党/衆議院議員)、福島みずほ(社会民主党/参議院議員)、

幹事長:近藤昭一(立憲民主党/衆議院議員)幹事:加藤鮎子(自由民主党/衆議院議員)、高村正大(自由民主党/衆議院議員)、宮内秀樹(自由民主党/衆議院議員)、青島健太(日本維新の会/参議院議員)

事務局長:小渕優子(自由民主党/衆議院議員)

事務局次長:小泉龍司(自由民主党/衆議院議員)、浅田均(日本維新の会/参議院議員)

社会
スポンサーリンク
ユーキ1号をフォローする

コメント

Social Share Buttons and Icons powered by Ultimatelysocial