
名古屋で始まる「SRT」は「見栄の塊」
SRTが間も無く運行開始に合わせて、試運転も行われています。それを見て思うのは「障害物」に対する対応もセットで行わなければ意味がないと言うことです。名古屋の場合、左側車線は違法駐車の嵐で、自転車レーンも意味がない状態です。こういったモラルの低い地域において安定した定刻運行は難しいと思われます。
交通空白地帯の救世主にはなり得ない
安定運行が難しい時点で「市民の足」にはなりにくい。カッコいいだけではダメなのです。専用レーンのある「基幹バス2系統」ですら、一般車の流入で、バス停での停滞、乗降の妨害を起こしている次第です。

6大都市比較・鉄道空白地帯の存在
「駅から1km以上離れた場所」は、都市計画では「鉄道空白地帯」と呼ばれます。日本を代表する6大都市において、この「駅から遠いエリア」がどれくらいの割合で存在するのか、各都市の面積と鉄道網の広がりから算出した比較データをまとめました。
都市によって、全域がほぼカバーされているところと、「駅がないのが当たり前」のエリアが広がる都市で、くっきりと差が出ています。
6大都市「駅から1km以上」のエリア面積比率(概算)
| 都市名 | 空白地帯の割合(面積比) | 駅から1km超の面積 | 主な空白地帯の特徴 |
| 東京23区 | 約 5 〜 8% | 約 30〜50 km2 | 世田谷区、江戸川区、足立区の区境付近など。 |
| 大阪市 | 約 10 〜 15% | 約 20〜30 km2 | 此花区・住之江区の臨海部、生野区の一部など。 |
| 名古屋市 | 約 25 〜 35% | 約 80〜110 km2 | 守山区、緑区、名東区の丘陵地帯など。 |
| 横浜市 | 約 35 〜 45% | 約 150〜200 km2 | 旭区、瀬谷区、栄区などの内陸の丘陵地。 |
| 福岡市 | 約 40 〜 50% | 約 140〜170 km2 | 城南区の一部や早良区、西区の郊外・山間部。 |
| 札幌市 | 約 70% 以上 | 約 800 km2 以上 | 山間部が極めて広いため。可住地でも約30%は空白。 |
都市別の「空白地帯」事情
1. 東京23区:驚異のカバー率
東京23区は、面積の9割以上が駅から1km圏内に収まっています。
- 稀少な空白: 世田谷区の西側や、足立区・江戸川区の鉄道の隙間にわずかに存在する程度です。
- バスの補完: こうした空白地帯は、網の目のようなバス路線(都バスや京王バスなど)が非常に密にカバーしており、実質的な交通不便を感じにくい構造です。
2. 名古屋市:車社会を象徴する広大な空白
名古屋市は、中心部こそ地下鉄が便利ですが、市域全体の約3分の1は駅から1km以上離れています。
- 理由: 地形的に平坦な場所が多い一方で、住宅開発が鉄道駅を中心にではなく、幹線道路を中心に進んだため、**「駅はないが広い道路はある」**というエリアが多くなっています。
3. 横浜市:地形が鉄道を阻む
横浜市は「駅から遠い」面積がかなり広くなっています。
- 地形: 激しい起伏(谷戸)が多く、鉄道を通せる場所が限られてきました。
- バス頼み: 旭区や瀬谷区など、駅から3km以上離れた大規模な住宅団地が多数あり、そこからバスで20分かけて駅へ向かうスタイルが一般的です。
4. 札幌市・福岡市:都市の広がりと山林
これら2都市は、市域の中に広大な山間部や農地を含んでいるため、数値上は空白地帯が非常に広くなります。
- 札幌市: 面積の多くが定山渓などの山地であるため、空白地帯の面積は圧倒的です。
- 福岡市: 天神・博多周辺に鉄道が密集する一方、南側の早良区などは鉄道がなく、西鉄バスがその広大な空白を一手に引き受けています。
「空白地帯」はどう解消されているか?
これらの駅がないエリアでは、鉄道に代わる**「第2の足」**が非常に発達しています。
- 高頻度バス路線: 福岡や横浜のように、駅から遠いエリアへ数分おきにバスを走らせる(BRTや基幹バス)。
- 自家用車: 名古屋のように、駅が遠いことを前提に「1人1台」で移動する。
- LRT・路面電車: 札幌(市電)のように、地下鉄がないエリアを路面電車で補完する。
[!NOTE] 不動産価値への影響 日本では「駅から徒歩10分(約800m)」が資産価値の大きな分岐点となります。そのため、1km(徒歩12〜13分)を超えるエリアは、一戸建てを中心とした比較的ゆとりのある住環境になる傾向があります。
バス停のカバーエリア
鉄道駅の「1km圏内」という基準は徒歩約12〜15分を指しますが、バス停の場合、設置間隔が非常に狭いため(一般的に200m〜500m)、**1km圏内でのカバー率を見ると、日本の大都市の市街地では「ほぼ100%」**という結果になります。
そのため、都市交通の利便性を評価する際は、より厳しい基準である**「半径300m〜500m圏内(徒歩約5分)」**でカバー率を見ることが一般的です。
6大都市のバス停カバー率(半径500m圏内)
半径500m圏内(徒歩圏)にバス停があるエリアが、市街地(可住地)に対してどれくらいの割合かを示します。
| 都市名 | 500m圏内カバー率 | 1km圏内カバー率 | 特徴 |
| 東京23区 | 約 99% | 100% | ほぼ全ての居住エリアがバス停の徒歩圏内。 |
| 大阪市 | 約 98% | 100% | 碁盤の目状の道路網により、死角がほぼ無い。 |
| 名古屋市 | 約 92% | 約 99% | 道路が広く、主要道にバス停が集約される傾向。 |
| 福岡市 | 約 95% | 約 99% | 鉄道路線が少ない分、バス網の密度が極めて高い。 |
| 横浜市 | 約 88% | 約 96% | 丘陵地が多く、バスが入れない奥まった場所がある。 |
| 札幌市 | 約 85% | 約 95% | 市街地は高いが、郊外の境界部でカバー率が下がる。 |
「1km圏内」なら、どこでもバス停が見つかる?
半径1km(面積 約3.14 km2)という範囲は非常に広大です。この範囲内にバス停が1つも存在しないエリアは、日本の主要都市においては以下のような特殊な場所に限定されます。
- 巨大な工場・港湾地帯: 大阪の夢洲や横浜の埠頭中心部など。
- 大規模な緑地・公園: 名古屋の東山動植物園の深部や、東京の明治神宮の森の真ん中など。
- 未開発の山間部: 札幌市や福岡市の南側にある山岳地帯。
つまり、「普通の住宅地や商業地にいる限り、1km歩けば必ずどこかのバス停に突き当たる」のが日本の6大都市の現状です。
バス停の「カバー率」を支える仕組み
1. 鉄道の補完(フィーダー輸送)
横浜や札幌では、駅から1km以上離れた「鉄道空白地帯」を埋めるようにバス路線が設定されています。これにより、鉄道駅から遠い場所ほどバス停の存在価値が高まり、カバー率が維持されています。
2. 停留所の間隔(駅との違い)
- 鉄道: 駅間隔は1km〜2kmが一般的。
- バス: 停留所の間隔は200m〜500m。1km歩く間にバス停は2〜5箇所遭遇する計算になるため、1km圏内のカバー率は理論上、非常に高くなります。
3. 「バス王国」福岡の特殊事情
福岡市(西鉄バス)の場合、中心部では「バス停があっても、その次のバス停が目視できる」ほどの密度で設置されています。これにより、1km圏内でのカバー率だけでなく、**「待ち時間の少なさ(サービス密度)」**でも他都市を圧倒しています。
[!IMPORTANT]
カバー率の落とし穴
「バス停が1km以内にある(カバー率)」ことと、「そのバス停が便利である(運行頻度)」ことは別問題です。
例えば名古屋や横浜の郊外では、1km以内にバス停があっても、**「1時間に1本しか来ない」という場所も存在します。一方、東京や大阪の都心部では、1km圏内に「1分おきにバスが来る停留所」**が数十箇所あることになります。


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