
「低所得者には手厚い給付がある一方で、自分たちは税金や社会保険料を引かれるばかりで恩恵が薄い……」という、いわゆる「中間層のジレンマ」ですね。その複雑な心境は、今の日本の現役世代が共通して抱えている非常に切実な問題です。
なぜそう感じるのか、そして「給付付き税額控除」がその不満に対してどのような解決策になり得るのかを整理しました。
現役世代が「複雑な思い」を抱く3つの理由
多くの人が感じる「不公平感」の正体は、主に以下の3点に集約されます。
① 「所得制限の壁」による絶壁(ベネフィット・クリフ)
現在の日本の支援策の多くは「住民税非課税世帯か、そうでないか」で、「0か100か」の差がつく仕組みになっています。
- 年収が1円超えただけで数万円の給付金がゼロになる。
- さらに、所得が増えると所得税・住民税が上がり、社会保険料も増える。 結果として、「頑張って働いて年収を上げたのに、手取りや支援を合わせると損をする」という逆転現象が起きてしまいます。
② 支援の対象が「高齢者」に偏る構造
住民税非課税世帯の約4分の3は、実は65歳以上のリタイア世代(年金生活者)だというデータがあります。
- 現役世代からすると「資産を持っているかもしれない高齢者に税金で給付が行き、子育てや生活に追われる自分たちには増税や負担増ばかり」という不満が溜まりやすい構造です。
③ インフレ(物価高)の影響
物価が上がると、低所得世帯には「物価高対策給付金」が出ますが、中堅所得層には「定額減税」程度に留まることが多いです。実質賃金が物価上昇に追いつかない中、「一番苦しいのは、支援の網から漏れる自分たちではないか」という感覚が強まっています。
外国人が給付金を受け取れる
結論から言うと、現在の多くの給付金制度において「国籍」による制限はありません。以下の2つの条件を満たせば、外国人でも日本人と同じように給付の対象となります。
- 住民登録があること: 日本に3ヶ月以上在留し、市区町村に住民票があること。
- 所得の要件を満たすこと: 「住民税非課税世帯」などの条件に該当すること。
なぜ「不公平」と感じられやすいのか?
現役世代や納税者が「納得がいかない」と感じる背景には、単なる感情論ではなく、制度上の「構造的な課題」がいくつかあります。
① 「来日1年目」の盲点
日本の住民税は「前年の所得」に対して課税されます。そのため、海外から来たばかりの外国人は、前年の日本での所得がゼロであるため、実際には働いていても1年目は「住民税非課税」扱いになります。その結果、低所得者向けの給付金が支給されるケースがあり、「納税していないのに給付だけ受ける」という構図に見えてしまいます。
② 海外資産の把握が困難
日本の税務署は、日本国内の所得は把握できますが、外国人が母国に持っている資産や不動産までを正確に把握することは非常に困難です。「母国では裕福なのに、日本では所得が低いからと給付金をもらっている」といったケースが疑われることがあり、不信感に繋がっています。
③ 留学生や技能実習生の扱い
単身の留学生なども住民税非課税世帯となりやすいため、給付対象に含まれます。これに対し、「将来の日本を支える納税者になるか不透明な層にまで、現役世代の税金を投じるべきか」という厳しい意見が上がることがあります。
「給付付き税額控除」が導入された場合
もし今後、前回の話に出てきた「給付付き税額控除」が本格導入されたとしても、この問題は議論の的になります。
- 納税者番号(マイナンバー)の徹底: 外国人にもマイナンバーは付与されていますが、所得だけでなく「預貯金や資産」との紐付けをどこまで厳格にするかが鍵となります。
- 居住実績の条件: 「一定期間以上、日本で納税実績があること」を給付の条件に加えるべきだ、といった意見も政治の場で議論されています。
現役世代の「複雑さ」の行方
あなたが感じる「複雑な気持ち」は、「自分が必死に働いて納めた税金が、公平に、納得感のある形で使われてほしい」という、極めて正当な感覚に基づいたものです。
現在は、「誰にでも一律に配る」というやり方から、デジタル化(マイナンバー等)を活用して「本当に支援が必要な人(日本人・外国人を問わず)を、資産背景まで含めて正確に見極める」仕組みへの転換期にあります。
この動画では、日本の給付金制度において国籍要件がない現状や、それによって生じている実際の不公平感についての議論が分かりやすく解説されており、現在の社会状況を理解する助けになります。
【納税していない外国人 なぜ給付金がもらえる?】 – YouTube




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