
生活保護で車は持っていけないの?弁護士が会見で説明「原則は認められないが…」yahooニュース
仙台市に住む3人の子どもを育てるひとり親の女性は、通勤などで車を使っていたことを理由に去年12月、生活保護が停止されました。車を持っていると生活保護は受けられないのでしょうか?
生活保護の受給資格
ネットなどでは簡単に受けられると思われがちな「生活保護」。生活保護の受給については、厚生労働省が定める一定の条件(規約)があります。2026年現在も基本的な仕組みは変わりませんが、主な要件は以下の4つの柱で構成されています。
1. 資産の活用(持っているものを活用する)
預貯金や不動産、自動車など、売却して生活費に充てられる資産がないことが条件です。
- 預貯金: 生活費の1ヶ月分程度を除き、基本的には使い切っている必要があります。
- 不動産: 今住んでいる家は、資産価値が著しく高くなければ持ち家でも認められる場合があります。
- 自動車: 原則として処分が必要ですが、通勤や通院に不可欠な場合(公共交通機関がない地域など)は保有が認められるケースもあります。
2. 能力の活用(働けるなら働く)
働くことが可能な場合は、その能力に応じて働く必要があります。
- 「病気やケガで働けない」「育児や介護で外に出られない」などの事情がある場合は、働く義務は免除(または制限)されます。
- 働いていても、収入が「最低生活費(後述)」に満たない場合は、不足分を受給できます。
3. 他の制度の活用(まず他の公的支援を受ける)
生活保護は「最後のセーフティネット」であるため、他の公的支援を先に受ける必要があります。
- 年金(老齢・障害)、雇用保険(失業保険)、児童手当、傷病手当金など、利用可能なものはすべて申請しなければなりません。
4. 扶養義務者の援助(家族に頼れるか確認する)
親族(親、子、兄弟姉妹など)から仕送りなどの援助を受けられる場合は、それを優先します。
- 扶養照会: 役所から親族へ「援助できませんか?」という通知が行きます。
- ただし、2021年以降、「DV・虐待がある」「20年以上音信不通」「親族が生活保護受給者」などの場合は、照会を止めることができる運用が徹底されています。不安な場合は相談時に必ず伝えましょう。
受給の判断基準:最低生活費
厚生労働大臣が定める「最低生活費」と「世帯の収入」を比較して判断されます。
- 世帯収入 < 最低生活費:受給可能です。差額が支給されます。
- 世帯収入 > 最低生活費:受給できません。
※最低生活費は、住んでいる地域(級地)や世帯人数、年齢によって細かく計算されます(例:単身者で月10万〜13万円程度+家賃分)。
申請の流れ
- 相談: お住まいの地域の役所(福祉事務所・生活支援課など)で面談します。
- 申請: 申請書を提出します。
- 調査: ケースワーカーの家庭訪問、資産・収入・親族への調査が行われます。
- 決定: 原則として申請から14日以内(遅くとも30日以内)に結果が通知されます。
重要なポイント: 「持ち家があるから」「借金があるから」といった理由だけで、申請そのものを拒否されることはありません。 申請は国民の権利ですので、窓口で「申請します」とはっきり伝えることが大切です。
生活保護受給者の車所有
生活保護制度において、自動車の所有は「原則禁止」ですが、生活の維持や自立に不可欠であると認められる例外的なケースがいくつかあります。
2026年現在、認められやすい主なケースは以下の通りです。
1. 仕事(通勤・事業)で必要な場合
- 公共交通機関がない: 自宅や勤務先の近くにバスや電車がない、または始発・終電の時間が合わない(深夜・早朝勤務など)場合。
- 事業に不可欠: 自営業などで、資材の運搬や配送に車がどうしても必要な場合。
- 早期自立が見込まれる: おおむね6ヶ月以内に就職が決まり、生活保護を脱却できる具体的な見通しがある場合、求職活動のための所有が一時的に認められることがあります。
2. 障害・通院で必要な場合
- 身体障害がある: 障害により公共交通機関の利用が著しく困難で、通院や通学、社会参加のために車が必要な場合。
- 常時介護が必要: 家族の介護や通院の送迎に車が必要で、他に手段がない場合。
- 精神・知的障害: 公共交通機関の利用がパニックを引き起こすなど、医学的な理由で車が必要と診断された場合。
3. 地理的な事情
- 過疎地・交通不便地: 最寄りのスーパーや病院まで数キロ以上あり、公共交通機関も極めて少ない地域(自動車普及率が高い地域など)では、日常生活のために認められることがあります。
所有が認められるための「条件」
ケースに該当していても、以下の条件をすべて満たす必要があります。
| 項目 | 条件の詳細 |
| 資産価値 | 初年度登録から年数が経過しており、処分価値(売却価格)が低いこと(目安として20万円〜30万円以下)。 |
| 維持費 | ガソリン代、保険料、車検代などを、自身の収入(働いたお金)ややりくりの範囲内で算出できること(保護費を維持費に充てることは原則認められません)。 |
| 排気量 | 贅沢品とみなされない、軽自動車や排気量の小さいコンパクトカーであること。 |
注意点:無断所有のリスク
役所に黙って車を所有・運転し、それが発覚した場合は、「不正受給」とみなされ、保護費の返還請求や受給停止になるリスクがあります。
- 申請前に相談: これから申請する場合は、相談員に「車がないと生活・仕事ができない理由」を具体的に伝えてください。
- 使用許可: 所有は認められなくても、親族の車を借りて「運転のみ」認められるケースもあります。
愛知県の場合
愛知県(名古屋市などの都市部から郡部まで)において、生活保護を受けながら車を所有・利用できる基準について具体的に解説します。
愛知県内の各自治体(福祉事務所)でも、厚生労働省の通知に基づいた運用がなされていますが、**「地域性」と「自立への必要性」**が大きな鍵となります。
1. 愛知県で認められる主なケース
愛知県は「車社会」としての側面が強いため、以下のケースでは相談に乗ってもらえる可能性が高いです。
- 通勤での利用(特に深夜・早朝・交通不便地)
- 名古屋市外の三河地域や尾張北部の工業団地など、バスや電車での通勤が物理的に不可能な場合。
- 深夜・早朝勤務で公共交通機関が動いていない時間帯の仕事に従事する場合。
- 障害者・通院・通学での利用
- 身体障害があり、公共交通機関の利用が著しく困難な場合。
- 定期的な通院が必要で、タクシーを利用するよりも自家用車の方が経済的・現実的であると判断される場合。
- 半年以内に生活保護を脱却(自立)できる見込みがある場合
- 現在求職中だが、車があれば確実に就職が決まり、それによって保護が不要になる具体的な計画がある場合、半年程度の期間、処分を猶予(持ち続けること)が認められることがあります。
- 保育園の送迎
- 通勤に付随して、子供を保育園に送迎しなければならない場合(これも通勤の一部として認められやすいです)。
2. 愛知県内での「車種」と「資産価値」の目安
愛知県の運用でも、以下のような「贅沢品ではない」ことが求められます。
- 排気量: 原則として 2,000cc以下 であること。
- 資産価値(処分価値): 下取り価格や売却価格がおおむね 20万円〜30万円以下 であること。
- ※購入から10年以上経過している軽自動車などは、資産価値がほぼゼロとみなされ、認められやすくなります。
- 維持費: ガソリン代や車検代は保護費から出ません。働いて得た収入(勤労控除の範囲内など)や、親族からの援助で賄う必要があります。
3. 名古屋市や豊田市などの特徴
- 名古屋市内: 地下鉄・バス網が発達しているため、中心部(中区、中村区、東区など)では通勤・通院以外での所有はかなり厳しく判断される傾向にあります。
- 豊田市・安城市など: 自動車産業が盛んで車社会のため、通勤手段としての車保有については、他の地域よりも事情を汲み取ってもらいやすい側面があります(ただし、あくまで「通勤に必要」という証明が必要です)。
注意:申請時の伝え方
愛知県内の福祉事務所(市役所などの窓口)で相談する際は、単に「必要だから」と言うのではなく、以下のように具体的に伝えてください。
- 「〇〇(駅名・場所)への公共交通機関が〇〇時台にはない」
- 「タクシーを使うと月に〇〇円かかるが、車ならガソリン代〇〇円で済む」
- 「今の車を売っても〇万円にしかならない(価値が低い)」
外国人と日本人の違い(参考)
生活保護法第1条において、生活保護の対象は「国民(日本人)」と定義されていますが、外国人の方についても厚生労働省の通知(通達)に基づき、日本人とほぼ同様の基準で保護が行われています。
ただし、日本人と外国人では「受給できる法的根拠」と「対象となる在留資格」に明確な違いがあります。
1. 法的な扱いの違い
| 項目 | 日本人 | 外国人 |
| 法的根拠 | 生活保護法(権利として保障) | 行政措置(通知)(人道上の配慮) |
| 不服申し立て | 決定に不服があれば、法律に基づき審査請求ができる。 | 法律の対象外のため、原則として行政上の審査請求はできない。 |
補足: 実際の手続きや支給額、資産(車など)のルールは、日本人と外国人で原則として同じです。
2. 対象となる在留資格(外国人の場合)
すべての外国人が受給できるわけではなく、「制限のない在留資格」を持っていることが条件です。
- 受給できる主な資格:
- 永住者
- 特別永住者(在日韓国人・朝鮮人など)
- 日本人の配偶者等
- 永住者の配偶者等
- 定住者(難民認定を受けた人、日系人など)
- 受給できない資格:
- 留学生、技能実習生、就労ビザ(技術・人文知識・国際業務など)、短期滞在(観光)など。
- ※これらは「自分で生活できること」を前提にビザが下りているためです。
3. 外国人特有の注意点(車や資産)
- 母国の資産調査: 日本人と同様に資産調査が行われます。母国に不動産や多額の貯金がある場合は、それを活用することが優先されます。
- 在留資格への影響: 生活保護を受給したことで、将来の「永住許可」の申請に影響が出る(不許可になりやすくなる)可能性があります。
- 身元保証人: 来日時の身元保証人に援助能力がないか、日本人よりも詳しく確認されることがあります。
外国人には甘い?
ただ、外国人についてはその審査が緩いのではないかとの指摘があります。偽装難民や不法入国者でも受給しているのではないかとの疑惑があります。一部の都市部で、過去に「入国直後の外国人に生活保護を決定した」として大きく報じられ、批判の対象となったケースがあります。
- 理由: 申請者の申告や書類に不備があっても、人道的な観点や、調査の限界(海外資産の確認が難しいなど)から、支給を決定してしまうケースが稀に発生します。
- 背景: 現場のケースワーカーが多忙で、詳細な裏付け調査が十分に行き届かない自治体では、「甘い」と受け取られるような運用になってしまうリスクがあります。
愛知県の場合
愛知県には多くの外国籍の方が居住していますが、上記の「永住者」や「定住者」などの資格を持っていれば、愛知県内の福祉事務所でも日本人と同じ基準で審査が行われます。車の所有ルール(通勤に必要、資産価値が低いなど)も日本人と全く同じです。
まとめ
愛知県での生活保護申請と車の所有に関するポイントをわかりやすくまとめました。
生活保護受給の4大原則
- 資産の活用:貯金、不動産、保険などを生活費に充てる(車も原則ここに含まれる)。
- 能力の活用:働ける場合は、状況に応じて働く。
- あらゆるものの活用:年金、手当、保険金など他の制度を優先する。
- 扶養義務者の援助:家族の援助を優先する(ただし、虐待や音信不通など事情があれば回避可能)。
車の所有が認められる条件(愛知県・例外ケース)
原則禁止ですが、以下の理由があれば認められる可能性が高いです。
- 通勤用:公共交通機関がない、または時間が合わない地域(三河地方など)での就労。
- 通院・障害:身体的理由で電車やバスの利用が困難な場合。
- 自立の見込み:半年以内に仕事が決まり、保護を抜けられる具体的な計画がある。
【認められるためのスペック】
- 価値:売却価格がおおむね20〜30万円以下(古い軽自動車など)。
- 維持費:ガソリン代や保険料を、保護費以外(働いた収入など)から捻出できること。
申請のアドバイス
- 窓口での伝え方:「車がないと仕事に行けない」「通院できない」という客観的な理由を具体的に伝えましょう。
- あきらめない:車があるからといって、申請書を受け取ってもらえないことはありません。「申請」は国民の権利です。



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