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静岡県熱海土石流災害の今:復興と責任問題の行方

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熱海市の土石流その後 責任問題

2021年7月に発生した静岡県熱海市伊豆山の土石流災害から約4年半が経過しました。2026年1月現在の「復興の現状」と「責任追及の状況」について整理してお伝えします。

結論から申し上げますと、2026年は裁判が大きな山場(証人尋問や現地視察)を迎える重要な年となっています。

1. 復興の現状(伊豆山地区)

被災地のインフラ復旧は進んでいますが、生活の再建にはまだ課題が残っています。

  • インフラ整備: 熱海市は2026年度(2027年3月まで)中の復興工事完了を目指しています。道路の復旧率は8割を超え、逢初川(あいぞめがわ)の改修も進んでいますが、まだ工事車両が目立つ状態です。
  • 帰還の状況: 避難生活を続けている世帯は減少していますが、家を失った方の多くは今も市営住宅や民間賃貸などでの生活を余儀なくされています。土地の境界確定や造成の遅れにより、元の場所に戻れる見通しが立たないケースも依然として存在します。

2. 責任問題:民事訴訟の状況

遺族や被災者が「人災」であるとして、盛り土の現在・旧所有者および静岡県・熱海市を相手取った損害賠償請求訴訟が続いています。

裁判のスケジュール

2026年に大きな動きがあります。

  • 2026年2月13日: 裁判官による**現地視察(現地進行協議)**が行われる予定です。崩落の起点となった盛り土跡地や砂防堰堤などを直接確認します。
  • 2026年2月24日~: 証人尋問がスタートします。盛り土の造成に関わった業者、土地所有者、行政担当者などが法廷に立ち、当時の対応や管理責任が厳しく問われます。
  • 判決の見通し: 裁判所は証人尋問を経て、2027年3月までの結審・判決を目指して審理を進める方針を示しています。

争点のポイント

  • 土地所有者の責任: 旧所有者が違法な盛り土を造成した点、および現所有者がその危険性を放置した点に「過失」があるか。
  • 行政の責任: 静岡県や熱海市が、崩落の危険性を認識しながら「措置命令」などの強力な行政処分を行わなかったことが違法(不作為)と言えるか。

3. 刑事責任の追及

静岡県警による捜査も続いています。

  • 容疑: 業務上過失致死傷や殺人容疑での告訴・告発が受理されています。
  • 現状: 盛り土に関与した関係者の立件を目指し、慎重な裏付け捜査が継続されています。民事裁判での証言が刑事手続きに影響を与える可能性もあり、注視されています。

4. 社会的な影響:盛り土規制法の施行

この災害を受け、2023年5月に**「盛土規制法(宅地造成等規制法の一部改正)」**が全面施行されました。

  • これまでは自治体ごとにバラバラだった基準が全国一律の厳しいものになり、危険な盛り土に対する罰則も大幅に強化されました(最大3億円の罰金など)。
  • 現在、全国の自治体で「規制区域」の指定が進められており、伊豆山の悲劇を繰り返さないための法的枠組みが整えられつつあります。

熱海市伊豆山の土石流災害(2021年)における「現所有者」と「元所有者」は、現在進行中の裁判や捜査において全く異なる主張を展開しています。

2026年現在の状況に基づき、それぞれの主張の要点と、法的に問われている罪状・責任について整理します。

5. 現所有者と元所有者の主張

この問題の核心は、「誰が危険な盛り土を作り、誰がその危険を知りながら放置したのか」という点にあります。

区分人物・企業主張の主な内容
元所有者小田原市の不動産管理会社(元代表)・「盛り土の造成作業自体は別の業者(借地人など)が行ったもので、自分は直接関与していない」
・「名義人としての責任はあるかもしれないが、故意に危険なものを作ったわけではない」
・「崩落の原因が特定されていない段階で責任を問われるのは冤罪に近い」
現所有者ZENホールディングス(代表)・「土地を購入した際、盛り土が違法な状態で放置されているとは知らなかった(善意の第三者)」
・「危険性を認識していなかったため、崩落を防ぐ義務(過失)はない」
・「本来、行政(熱海市・静岡県)が元所有者に対して適切に是正指導を行うべきだった。責任の割合は行政や元所有者が100%であり、自分は0%である」

補足:現所有者による「責任ゼロ」の逆提訴

現所有者は、遺族からの賠償請求に対し、「自分に責任がないことを確認する」ための訴訟を静岡県、熱海市、元所有者に対して起こしています。これは被告(訴えられた側)が他の被告を訴える異例の展開となっています。

6. 想定される罪名と法的責任

現在、刑事と民事の両面で以下の責任が問われています。

① 刑事責任(警察による捜査)

遺族は両所有者を「殺人罪」などで告訴していますが、法的には以下の罪状が焦点となります。

  • 業務上過失致死傷罪: 土地の管理や造成において、本来払うべき安全確認の義務を怠り、結果として死傷者を出した罪です。刑事罰としてはこちらがメインの検討対象です。
  • 不作為による殺人罪(未必の故意): 「このまま放置すれば崩れて人が死ぬかもしれない」と分かっていながら、あえて何もしなかった場合に問われます。ハードルは非常に高いですが、遺族側は強く主張しています。

② 民事責任(損害賠償)

  • 工作物責任(民法717条): 土地の工作物(盛り土など)の設置や保存に瑕疵(欠陥)があった場合、所有者は**「無過失責任」**(過失がなくても責任を負う)を負う原則があります。
    • 現所有者: 占有者として注意を払っていたとしても、所有者としての最終的な賠償責任を免れるのは難しいと一般的には解釈されます。
    • 元所有者: 設置時の瑕疵(違法な造成)について、不法行為としての責任を問われています。

7. 2026年の注目ポイント

現在行われている証人尋問では、以下の「事実」がどこまで立証されるかが鍵となります。

  1. 元所有者が、県や市の指導を無視してまで盛り土を拡大させた経緯。
  2. 現所有者が購入時、どれほど詳細に現地の危険性(行政からの指導歴など)を把握していたか。
  3. 行政が「措置命令」を出さなかったことが、所有者たちの「放置」を正当化する理由になるのか。

裁判所は2027年3月までの決着を目指しており、2026年中に主要な証言が出揃う見込みです。

遺族側が主張する「行政の不作為」や、当時の熱海市長の判断についてなど、より具体的な背景について詳しくお伝えしましょうか?

熱海土石流、現所有者らが「責任ゼロ」を主張し逆提訴 この動画では、現所有者が「自分には1%も責任がない」として行政や前所有者を訴えた、異例の裁判の構図について詳しく解説されています。

「悪さの割合を決めてくれ」熱海土石流めぐり現所有者”責任ない”と新たに提訴 被告が被告を訴える構図に被害者側「奇妙な論理」=静岡県 – YouTube

SBSnews6 · 4,522 回の視聴

まとめ:今、注目すべきこと

2026年2月に始まる証人尋問は、これまで伏せられていた「誰が、いつ、どこで、何を怠ったのか」という事実関係が公の場で明らかになる最大のチャンスです。この裁判の結果は、日本の行政責任のあり方や、土地所有者の管理義務の解釈に大きな影響を与えると見られています。

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