PR

ザックの寿命

PR

残念ながらザックには寿命があります。現在のザックは、重い昔のキスリングのような革製品と違い、軽量で防水性も備えています。ナイロン素材は経緯年とともに劣化し剥離したりします。特に顕著なのが、内面の「加水分解」による「素材の剥が」れと「べた付き」です。

スポンサーリンク

今回は新調しました

前回の登山の際に、ザックの中のナイロン膜が剥離していることに気が付きました。非常にベタベタして気持ち悪いものです。それ以上に「命」を守る大切なアイテム。下手な延命を図るより「買い替え」をお勧めします。

グレゴリーのZ55について

私が使っていたザックは、グレゴリーの「Z55]。背面に隙間を設けたメッシュ構造(クロスフロー・サスペンション)により非常に通気性が良く、背負い心地の良さから絶大な人気を誇った55Lのザックです。北アルプスなどでの数日間の縦走や、テント泊・小屋泊には定番とも言える名機です(現在は後継の「ズール(Zulu)」シリーズに引き継がれ、廃盤となっています)。

新しいザック「サースフェー NX 40+5」

先ほどの「ザックの内面 剥離」というキーワードに関連しているかと思いますが、まさにこの「Z55」を含む一昔前のグレゴリーのザックは、内側のPU(ポリウレタン)コーティングの剥離(加水分解)が起きやすいことで非常に有名です。

具体的な耐用年数

登山用ザック(バックパック)の寿命は、使用頻度や保管状態にもよりますが、おおよそ5年から10年が目安です。

見た目がきれいで生地が破れていなくても、素材の経年劣化は避けられません。とくにテント泊や縦走など、重い荷物を背負って長時間歩くような山行では、機材のトラブルが大きなリスクになります。

寿命を迎えたザックのサイン

ザックが寿命を迎えると、主に以下のような症状が現れます。これらのサイン、特に内側のベタつきが出始めたら修理が難しいため、買い替えのタイミングとなります。

内側のベタつき・剥がれ

生地を防水コーティングしているポリウレタン(PU)が、空気中の水分と反応して劣化する「加水分解」が原因です。

嫌なニオイ

加水分解が進行すると、銀杏や古いクレヨンのような特有の酸っぱいニオイが発生します。

シームテープの剥がれ

縫い目の防水性を高めるシームテープが浮いたり、ポロポロと剥がれ落ちたりします。

プラスチックパーツの破損

バックルやアジャスターなどの樹脂パーツが硬化してもろくなり、少しの力で割れるようになります。

ショルダーハーネスのへたり

クッション材が潰れてペラペラになり、肩への負担が大きくなります。

北アルプスなどでのソロ登山では、バックルの破損やハーネスのちぎれといった装備のトラブルを自分一人で解決しなければならないため、出発前の入念なギアチェックが欠かせません。もし長期間使っていなかったザックを使う場合は、事前に重い荷物を詰めて各パーツに負荷をかけ、破損しないかテストしておくことをおすすめします。

寿命を延ばすためのメンテナンス

加水分解などの劣化は完全に防ぐことはできませんが、使ったあとの手入れで寿命を大幅に延ばすことができます。

1.すぐに中身を出す:疲れていても放置は厳禁。

帰宅後は荷物を全て取り出し、ポケットの中のゴミや砂も払い落とします。

2.汚れを拭き取る:

泥や汗は生地を傷める原因になります。固く絞った濡れタオルで表面や背面の汚れを拭き取ります。

3.陰干しで完全に乾燥させる:直射日光は避ける。

すべてのジッパーを開け、風通しの良い日陰でしっかりと乾かします。湿ったまま収納すると劣化が一気に進みます。

4.風通しの良い場所で保管する:押し入れや車のトランクはNG。

湿気と高温はコーティングの加水分解を早めます。クローゼットの奥深くではなく、直射日光の当たらない風通しの良い部屋に吊るして保管するのが理想です。

ザックの水洗い 

どうしても汚れが激しく、拭いただけではキレイにならない時は、水洗いという手もあります

登山用ザックは、汗や皮脂、泥汚れが付着したまま放置すると、生地の裏側にある防水コーティングの劣化(加水分解)や嫌なニオイの原因になります。定期的な水洗いで清潔に保つことで、長く安全に愛用することができます。

基本的な手洗いの手順は以下の通りです。

事前準備

  • 中身を全て出す: ポケットの奥に小石や小物が残っていないか、念入りに確認します。
  • パーツを外す: 背面のアルミフレームやパッド、雨蓋、ヒップベルトなど、取り外せるパーツはできる限り全て外しておきます。
  • 表面の汚れを落とす: 乾いた柔らかいブラシを使い、表面に付着した泥やホコリをあらかじめ軽く払い落とします。

洗い方(手洗いが基本)

洗濯機や脱水機の使用は、生地への強い負担やパーツの破損に繋がるため避けてください。お風呂の浴槽や大きめのタライを使用します。

  1. ぬるま湯を張る: 30℃程度のぬるま湯を、ザック全体が浸かるくらいまで溜めます。
  2. 洗剤を入れる: アウトドア用ギア洗剤、または一般的な中性洗剤(おしゃれ着洗い用など、漂白剤や柔軟剤が入っていないもの)を適量溶かします。
  3. 押し洗いする: ザック全体を沈め、優しく両手で押し洗いします。
  4. 部分洗い: 特に汗を吸い込んでいるショルダーハーネスや背面パッド、土汚れがつきやすいボトム(底)部分は、柔らかいスポンジで軽く叩くように洗います。生地を痛めるため、強くこすらないよう注意してください。

すすぎ(最重要工程)

洗剤の成分が生地に残ってしまうと、かえって生地の劣化を早める原因になります。

  • 水を何度も入れ替え、泡が全く出なくなるまで徹底的にすすぎます。シャワーを使って、ポケットの中や隙間までしっかりと洗い流すのが効果的です。

乾燥

  • 水気を取る: 乾いたバスタオルでザックを挟み込み、ポンポンと叩いて水気を吸い取ります。強い力でねじり絞るのは厳禁です。
  • 陰干しする: 直射日光の紫外線は生地を著しく劣化させるため、必ず風通しの良い日陰に干します。
  • 完全に乾かす: 全てのジッパーを全開にし、下に向けて吊るすなどして、内部の奥まで完全に乾燥させます。生地の厚みによっては数日かかる場合もあります。

お手入れのポイント 全体が完全に乾いた後(または半乾きの状態)で、市販の撥水スプレーを全体にムラなくかけておくと、次回の山行での水弾きが良くなるだけでなく、泥汚れが付きにくくなります。

コメント

Social Share Buttons and Icons powered by Ultimatelysocial