ふるさと納税制度に上限

生活

2025.12.04

はじめに

ふるさと納税制度において、寄付額に対する税の軽減額（控除額）に上限を設ける方向で調整を進めています。これは、主に高所得者への優遇を是正し、制度の公平性を高めることが目的です。

現在のふるさと納税制度では、年収が高い人ほど控除の上限額が大きくなり、結果として高額な寄付を行い、豪華な返礼品を受け取れる傾向にあります。このため、「金持ち優遇」との批判が出ており、制度本来の趣旨である「故郷や応援したい自治体への貢献」から逸脱しているとの指摘がありました。

報道によると、政府・与党内で検討されているのは、所得税と個人住民税を合わせた控除額の年間上限です。

目安の例:
- 年間上限を210万円程度とした場合、年収5,000万円以上の人に制限がかかる見込みです。
- 年間上限を440万円程度とした場合、年収1億円以上が該当する見込みです。

この改正は、2026年度税制改正大綱に盛り込まれる方向で議論されています。

現行のふるさと納税の控除上限額は、基本的に個人の年収や家族構成などによって異なりますが、高所得になるほど上限額が大きくなる仕組みです。

ポイント: 寄付額から2,000円を差し引いた額が、所得税と住民税から控除される仕組みです。控除上限額内であれば、実質2,000円の自己負担で返礼品を受け取れます。

上限が導入された場合、高所得者層は控除を受けられる上限額が下がり、高額な寄付をしても自己負担額が増えることになります。結果として、高額な返礼品を目的とした寄付は減少し、制度の利用の仕方が変わる可能性があります。

特に高額な返礼品を用意することで高所得者からの寄付を集めていた自治体は、大幅に寄付額が減少する可能性があります。これにより、地域の財政への影響や、返礼品の見直しなどが迫られることになります。

今回の調整は、ふるさと納税制度の公平性を確保し、制度の健全な運用を目指す一連の改正の一環として進められています。