槍ヶ岳 北鎌尾根 ルートと対策を解説
北鎌尾根とは
北鎌尾根は槍ヶ岳から北東に伸びる尾根。
通称「北鎌」
槍ヶ岳からは東西南北に尾根が派生していますが、
一般登山道でないのは北鎌だけです。
それだけに山頂から眺める北鎌、
そして、そこを登ってくる登山者達に
憧れを感じるのでしょうか。
北鎌へのアプローチ
アプローチは3通りで、
大町市の湯俣温泉から水俣川を遡行、
千天出会で尾根に取りつくルート。
もう一つは
大天井岳の稜線から貧乏沢を下り
天上沢へ至るルート。
3つ目が上高地から大曲で水俣乗越を超え
天上沢へ至るルートです。
北鎌尾根概要図
こちらから確認できます
ルートの難易度
あくまで一般登山道ではありませんので
簡単とはいえません。
ルートに関しては
ルートファインディングの力量によって
「やや難しい」から「かなり難しい」
まで変化します。
装備について
健脚で1日で完登する方もいますが、
(大天井に一泊で、翌日軽装でトライする人はいます)
基本はテント泊になると思います。
出来るだけ軽量化に心掛けコンパクトにまとめ
たい。パーティだったら荷物を分散させ
出来るだけ軽量化をします。
有効な補助ロープ
多少重くはなりますが、補助ロープ
などがあると、荷物だけ後から
揚げることもでき岩場も登りやすくなります。
ヘルメットは必ず着用
今は一般登山でも常識になりつつある
ヘルメット着用。
脆い岩場の連続ですので必ず着用しましょう。
水場について
水場は北鎌沢上部にあります。
ただし時期によっては水量が十分でない
可能性がありますので、注意してください。
※この記事の内容について
あくまで筆者の個人的感想であり
不特製多数の登山者に適する保証はありません。
またこの記事によって
無謀・危険な登山を推奨するものではありません。
安全な登山をお願いします。
緊張の初挑戦はソロ
私が初めて北鎌尾根へチャレンジしたのは
10年以上前になります。
ソロで北鎌尾根から槍ヶ岳、そして
奥穂高、終点西穂高岳まで
まさに北アルプスの銀座通りと言える
ルートを歩いたのでした。
大キレット、馬の背、ジャンダルム
個々の区間縦走は幾度としましたが、
通して歩いたのは初めてでした。
水俣乗越
今でも思い出すのは
水俣乗越から望む天上沢の眺め
「ここを降りたら引き返せない」
という緊張感に支配されていました。
実際、悪天時ここを登り返すのは
かなり大変に思われます。
覚悟を決めてザレた急斜面を降りていく。
テント場にて
降った先は
全く人気のない静寂な地。
事前に得ていた情報ではパーティーが多くて
大賑わいだとか、、、
でも実際は誰もいない。
取り敢えず、今夜の宿泊地へ向かう
獣の匂い漂う奥深い谷にテント1張り、
この怖さは半端無いもの。
実はこの幕営した場所は「北鎌沢出合」ではありませんでした。
間違えて結構手前で張ってしまったのでした。
右俣を登り詰めるが、あまり右にルートを取ると
ルンゼ状の場所に突き当たるので沢伝いに登っていく。
結局、槍ヶ岳山頂までの間に他の登山者
に会うことはありませんでした。
そもそも当日の天気はイマイチな予報
でしたし、平日でしたので他のパーティー
が居ないのも当然かもしれません。
クラシカルなバリエーションルートですが、
事故も多く、私が歩いた前日には2人が
命を落としてる。
人によっては簡単だと言う人もいるけど
状況が変わると難易度は変わる。
特に岩は表情がガラリと変わる
難所を乗り越え
難所として記憶にあるのは
独標の登りと、山頂直下のチムニー、
巻道から直登するポイントの見分け、
ハングした岩場では、テントを担いだ
ザックは引っ掛かりやすく注意が必要。
浮石の連続で危うい足場と
切り立ったナイフリッジ
とにかく滑落したら死に直結です。
ひたすら真っ白な視界の中、必死で
登攀を繰り返し、気が付いたら山頂でした。
寂しい山頂
通常は北鎌から登り詰めると
拍手で迎えられるという山頂
この日はガスが掛かり天気が悪く、
他に登山者も僅か2名
何事もなく通過していくだけだった
再び北鎌
この時は複数人で登ったという事もあり
体力的にはキツかったけど
精神的には楽でした、
そのときは天気が良く、気持ち良い山行だった。
拍手で迎えられ最高の気分でした。
経験を踏まえて改めて考えて見れば
無我夢中だったので記憶が断片的です。
装備はテント泊装備一式、
初回は登攀道具+補助ロープを持って
行きました。これは身体極まった時に
懸垂で逃げる時用に考えた物。
結局は使う機会は無かったのですが、
備えあればです。
今度行くならどうしようか、
考えると楽しいですが、まずはトレーニングかな
是非もう一度行ってみたいと思ってます。
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