
三谷幸喜脚本ドラマの「大爆死」
フジテレビの「厳しい現実」については、特に三谷幸喜さんが脚本を手掛けたドラマの低視聴率が、その状況を象徴するものとして大きく報じられています。
- 対象作品: 2025年にフジテレビ系で放送された水曜ドラマ『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』(通称: もしがく)。これは三谷幸喜さんが民放GP帯(ゴールデン・プライム帯)の連続ドラマ脚本を手掛けるのが25年ぶりという、局が社運をかけて送り出した話題作でした。
- 低視聴率: 初回から振るわず、その後も視聴率が下降。世帯視聴率で2.8%や3.4%といった極めて低い数字を記録したと報じられています。裏番組が休止した際でさえ、視聴率の伸びがわずかであったという厳しい現実も指摘されています。
- 高額な制作費: このドラマは、千葉県内のスタジオに約5億円ものセットを建設し、1話あたりの制作費が8000万円に上るとされる、異例の大型プロジェクトでした。

2. 「赤字」につながる制作現場の混乱
- 巨額損失の危機: 5億円のセットと高額な制作費にもかかわらず、視聴率が再放送ドラマ以下となったことで、フジテレビ局内からは「悲鳴と怒号」があがり、「誰がこの企画を通したんだ」と戦犯探しが始まっていると報じられています。
- 内部の疲弊: 現場は殺伐としており、三谷さんの前で「視聴率」という言葉は絶対的なタブーとされ、台本の書き直しが何度も行われ、スタッフが疲弊しきっている状況も伝えられています。
このように、フジテレビは、25年ぶりの民放GP帯復帰という大物脚本家である三谷幸喜さんに社運を託したものの、高額な制作費をかけたドラマが記録的な低視聴率に終わり、それが「赤字」につながる巨額な損失と、局内の深刻な混乱を招くという「厳しい現実」に直面していることがわかります。

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不評のバラエティ
フジテレビのバラエティ番組に対する「つまらない」という評判や低迷の指摘は、複数の報道や視聴者アンケートで確認されており、深刻な課題として捉えられています。
主に指摘されている点と、具体的な番組名、低迷の背景は以下の通りです。
1. 視聴者による「終わってほしい」ランキング
視聴者を対象にしたアンケートでは、フジテレビの一部の番組が「もう終わっていい」「嫌いなバラエティ」として上位にランクインしています。
| 順位 | 番組名 | 主な指摘理由 |
| 1位 | 突然ですが占ってもいいですか? | ドッキリが時代遅れ、ヤラセ臭くてつまらない、オチまで引っ張るのがしつこい、など。 |
| 1位 | 坂上どうぶつ王国 | 司会者である坂上忍氏が苦手・嫌いで見られないという声が多数。 |
| 2位 | 芸能人が本気で考えた!ドッキリGP | 痛々しい、ドッキリが時代遅れ、ヤラセ臭い、オチがしつこい。 |
| 3位 | ホンマでっか!?TV | 司会の明石家さんま氏が苦手、真偽不明な情報を放送することが有害、など。 |
| 4位 | 呼び出し先生タナカ |
収録中の負傷事故
最も新しく報道されているのは、人気バラエティ番組『芸能人が本気で考えた! ドッキリGP』の収録中の事故です。

- 負傷者: SUPER EIGHT(旧・関ジャニ∞)の横山裕さん
- 発生日: 2025年12月11日
- 事故内容:
- 「回転台の上に乗るゲーム」(人気企画「記憶忍者隊 マッサマン」の罰ゲームとされる『マッサマンスピン』)の収録中に負傷しました。
- 診断結果: 右肋骨骨折と腰椎捻挫で全治2ヶ月の重傷です。
- 局の対応と問題点:
- フジテレビは公式サイトで謝罪し、「安全対策の強化を図り、同様の事故を未然に防ぐことに尽力」すると表明しました。
- しかし、この番組では昨年11月にも芸人が骨折する事故を起こしており、今回が2度目となる重大事故であるため、番組制作における安全管理体制のあり方が改めて厳しく問われています。

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過去の重大事故と問題点
フジテレビのバラエティ番組制作では、過去にも人命に関わる重大な事故や、負傷事故が起きています。
| 発生年 | 番組名 | 事故内容 | 影響 |
| 1993年 | ウッチャンナンチャンのやるならやらねば! | 番組ゲストとして収録に参加した香港のロックバンドBEYONDのウォン・カークイ氏が、セットから約3.5mの高さから転落し、数日後に死亡しました。 | 番組は打ち切りとなりました。日本のテレビ史上、出演者が死亡するという極めて重大な事故として知られています。 |
| 2005年 | めざましテレビ | 菊間千乃元アナウンサーが番組企画の収録中にマンションの5階から転落し、腰椎圧迫骨折の重傷を負いました。 | – |
| 過去 | (番組名不明) | ロケで「火渡り」を行い、男性が大火傷を負った事故があり、当時の社長が事故隠蔽に関与し後に謝罪していたことが報じられています。 | – |
| 2025年 | 新しいカギ | 武田真治さんが収録中に右足かかとを骨折したことが報じられています。 | – |
これらの事故から、フジテレビのバラエティ制作における安全対策の不備や、過激な企画への依存、そして制作会社への責任の押し付け(ガイドラインにも言及があるようにといった構造的な問題が指摘されています。
この結果から、単に企画内容だけでなく、司会者への好感度や「ヤラセ臭い」「しつこい」といった演出への批判が、ネガティブな評判につながっていることがわかります。
低迷の背景・原因
かつて「バラエティのフジ」として一時代を築いた同局が低迷している理由として、複数の識者や元社員から以下のような点が指摘されています。
- オリジナル性の欠如: かつてのフジテレビには『オレたちひょうきん族』や『笑っていいとも!』など他局が真似できないオリジナル番組がありましたが、現在は他局で見たような番組ばかりで、新しいアイデアやオリジナル性が失われている。
- 上層部のセンスと経営の不在: 元フジテレビアナウンサーから「間違いなく上層部のセンスがない」「幹部は総辞職するべき」と手厳しい指摘が出ています。また、90年代の体制から変わらず、ガバナンスがない、経営が体を成していないことが、全ての低迷の底流にあると分析されています。
- コンプライアンスと「やらせ疑惑」: 過去にバラエティ番組で「やらせ疑惑」が指摘され、それが視聴者からの抗議や苦情につながるケースがあり、現場のスタッフが疲弊したり、退社するきっかけになったりしている。
- 資金難: 近年の不祥事報道の影響でCMスポンサー企業が多数撤退し、巨額の金銭的損失を抱えているため、「これまでの金銭感覚ではもはや番組を作れなくなっている」という資金不足も、新しい挑戦や大型企画を難しくしている要因です。
これらの要因が複合的に絡み合い、フジテレビのバラエティ番組は視聴者から「つまらない」「終わってほしい」という厳しい評判を受ける状況に陥っていると言えます。
酒のつまみになる話

フジテレビのバラエティ番組『酒のツマミになる話』が年内で終了に至った経緯は、放送直前の内容差し替えに対する千鳥(特に大悟さん)の不信感と降板の申し出が直接的な引き金となっています。
以下に、終了に至るまでの具体的な経緯をまとめます。
騒動の発端:放送内容の「差し替え」
- 問題の放送回: 2025年10月24日に放送が予定されていた回です。
- 内容: MCを務める千鳥・大悟さんが、前年(2024年)のハロウィーン回に続き、松本人志さんを想起させるコスプレ姿を披露する企画が含まれていました。
- 局の対応: 放送当日、予告映像まで流れていたにもかかわらず、フジテレビ上層部やコンプライアンス部門の判断により、その内容が急きょ過去の再放送回に差し替えられました。
- フジテレビは、その理由を「再生・改革の取り組みを進めている弊社の状況を鑑み」と説明しました。この判断は、松本さんの芸能活動休止に関連したコンプライアンス上の懸念が背景にあったと広く報じられています。
大悟さんの「激怒」と降板の申し出
- 大悟さんの不信感: 大悟さんは、自身が尊敬する松本人志さんへの敬意を込めて行った企画が、撮影も終わり予告まで流れた段階で一方的にNGとされ、差し替えられたことに強い不信感と怒りを抱いたと報じられています。
- 降板の決断: このフジテレビの対応を受け、MCである千鳥(大悟さんとノブさん)から、番組からの降板の申し出がありました。大悟さんは、松本さんがいなくなった後も「松本さんが帰ってくる場所を守る」という強い思いでMCを引き受けていたため、その松本さんの存在を否定するような局の判断を許容できなかったとされています。

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フジテレビの決定と番組終了
- 番組終了の決定: 千鳥からの降板申し出を受け、フジテレビは社内で協議した結果、年内をもって番組を終了することを公式サイトで発表しました。
- 大悟さんのメッセージ: 騒動後の10月31日放送回では、大悟さんがVTRで出演し、視聴者に対し「ノブとも話し合った結果、『酒のツマミになる話』やめまーす!」と自らの言葉で終了を伝えました。そして最後には、「面白くなければテレビじゃない! フジテレビ! ありがとうございました!」と、かつてのフジテレビのキャッチコピーを用いて、皮肉とも取れるメッセージを残しました。
この一連の経緯は、テレビの「面白さ(現場の論理)」と「コンプライアンス(上層部の論理)」の衝突が、人気番組の終了という具体的な結果につながった、「笑いの限界線」を象徴する出来事として大きく注目されました。
フジテレビの経営状態
フジテレビの経営状態は、親会社である**フジ・メディア・ホールディングス(フジHD)の決算情報から見ると、放送事業の深刻な赤字と、グループ内の他事業(特に不動産・観光)の収益でカバーしているという「明暗」がはっきり分かれた状況にあります。
特に、2024年度から2025年度にかけて、放送事業をめぐる一連の「事案」やコンプライアンス問題の影響を強く受けています。
放送事業(フジテレビ)の深刻な赤字転落
- 単体赤字の記録: フジテレビ単体では、2025年3月期(2024年度)の最終損益が328億円超の赤字となりました。持ち株会社化(2008年)以来、初の最終赤字です。
- 営業利益の赤字予想: 2026年3月期の通期連結業績予想でも、メディア・コンテンツ事業(フジテレビが中核)の営業赤字は105億円と、依然として厳しい状況が続いています。
- 赤字の主な原因:
- 広告収入の大幅減少: 一連のコンプライアンス事案(例:特定の番組への批判など)により、スポンサー企業がCM出稿の差し控えやキャンセルを行ったことが直接的な打撃となりました。広告は利益率が高いため、売上の減少が利益に直結しました。
- 固定費の大きさ: 広告収入が激減しても、番組制作費、人件費、設備維持費などの固定費はすぐに削減できず、赤字を拡大させる構造的なリスクとなっています。
2. グループ全体の「明暗」と黒字の維持
フジHDグループ全体で見ると、メディア事業の不振を補う形で、他の事業が好調に推移しています。
| 事業セグメント | 2025年度の状況 | 役割 |
| メディア・コンテンツ事業 (フジテレビ) | 大幅な減収・赤字。広告収入の減少が響く。 | グループ全体のお荷物となっている状態。 |
| 都市開発・観光事業 (サンケイビル、ホテルなど) | 増収増益で推移し、過去最高益を記録。インバウンド(訪日外国人)需要や国内観光の好調が寄与しています。 | メディア事業の赤字を埋め、グループ全体の黒字を支える「稼ぎ頭」となっています。 |
- 最終的な連結純利益: メディア事業が大幅赤字であるにもかかわらず、フジHD全体の連結純利益は、政策保有株式の売却益や都市開発・観光事業の好調により、185億円の黒字に上方修正される見込みです(2026年3月期予想)。
まとめ
フジテレビの経営状態は、本業である放送事業単体で歴史的な赤字に陥っているという危機的な状況にあります。しかし、グループ全体としては、不動産や観光といった安定的な収益源を持つ多角経営によって、連結決算上は黒字を維持しているという二極化の構図が鮮明になっています。
フジHDは、業績回復とガバナンス改善のため、「フジテレビ再生チーム」を設置し、経営の刷新と構造改革を急いでいます。
フジテレビの今後の再建策や、不動産事業がグループ経営に果たす役割について、さらに詳しくお探ししますか?


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