
東京都は15日、上野動物園(東京都台東区)の双子のジャイアントパンダ、雄シャオシャオと雌レイレイを来年1月下旬に中国へ返還する。国内のパンダが54年ぶりにいなくなる。2頭は繁殖研究目的で貸与された親から生まれたため、所有権は中国にあり、返還期限が来年2月に迫っていた。都によると最終観覧日は1月25日。
パンダについて知る
パンダ(ジャイアントパンダ)の主な生息地は、中国の限られた山岳地帯です。
具体的には、以下の3つの省にまたがる標高の高い竹林に生息しています。
- 四川省(しせんしょう)
- 陝西省(せんせいしょう)
- 甘粛省(かんしゅくしょう/カンスーしょう)
生息地の特徴
- 標高: およそ 1,200mから3,900m ほどの高山地帯(主に1,300m〜3,500m)。
- 環境: 竹林が茂る、湿気の多い常緑広葉樹や針葉樹が混じる森林地帯。
- 現状: 森林伐採や農地開発などにより生息地は分断・縮小されており、現在は特に四川省の「ジャイアントパンダ保護区群」などが世界遺産に登録され、厳重に保護されています。
これらの地域は、パンダの主食である竹が豊かで、冷涼な気候に恵まれた「最後の砦」と言える環境です。
パンダのレンタル料
パンダ(ジャイアントパンダ)の「借用」には多額のお金が発生します。正式には「ジャイアントパンダ保護研究基金」という名称で、動物園側が中国政府に支払う保護協力金として扱われています。
契約内容のすべては公表されていませんが、報道されている国際的な目安は以下の通りです。
パンダの保護協力金(レンタル料)の目安
| 項目 | 年間金額(目安) | 備考 |
| 成獣ペア | 約1億円~1.5億円 | 国際的な相場は年間100万ドル前後とされています。 |
| 一頭当たり | 約5,000万円~7,500万円 | ペアの金額を単純に2で割った目安です。 |
| 繁殖した子(赤ちゃん) | 年間5,000万円~7,000万円 | 日本国内で生まれても所有権は中国にあり、別途費用が発生することが報じられています。 |
| 死亡時の補償金 | 数十万ドル~100万ドル以上 | パンダが亡くなった場合も、状況に応じて補償金が発生することが契約に含まれています。 |
この費用は、各国の契約内容や為替レートによって変動するため、あくまで目安となります。
「借用」の理由と使途
パンダは「ブリーディング・ローン方式」という形で中国から貸与されています。
- 所有権の所在: パンダの所有権は中国にあり、海外で生まれた子どもも含め、最終的には中国に返還されます。
- 費用の使途: 支払われた協力金は、中国国内の野生パンダの保護活動(生息地の保全、共同研究、病気やケガの治療、野生復帰への取り組み)などに充てられています。
パンダは絶滅危惧種であるため、この高額な費用は、彼らの研究と未来の保全のための重要な資金源となっています。
中国国外でパンダがいる主な国・地域(近年)
| 国・地域 | 飼育頭数(おおよその数) | 主な飼育施設 |
| アメリカ | 少数 | スミソニアン国立動物園など |
| ドイツ | 2頭 | ベルリン動物園 |
| フランス | 4頭 | ボーバル動物園 |
| イギリス | 0頭 | 2023年に返還され、現在は不在 |
| オーストリア | 2頭 | シェーンブルン動物園 |
| オランダ | 2頭 | レーネンOuwehands動物園 |
| シンガポール | 2頭 | リバーサファリ |
| 韓国 | 4頭 | エバーランド |
| 台湾 | 1頭 | 台北市立動物園 |
今後の見通し
2026年1月に上野動物園の双子が返還されると、日本国内でパンダが不在となる可能性が高いです(タンタンの状況を除く)。これは「パンダ外交の終焉」を象徴する動きとして、大きな注目を集めていますが、個人的には不要と考えてます。



コメント