
12月5日の議会答弁
中国メディアによる「沖縄が日本領であること」への疑問視について、5日の県議会一般質問で玉城デニー知事は「中国メディアの論評はいくつか把握しているが、その意図は明確ではなく、個人や企業の見解として受け止めている」と述べ、中国政府の公式見解とは切り離して考えていることを示しました。また、「沖縄県は日本の地方自治体であり、この点については日中双方で共通認識があると考えている」と強調しました。
あくまで表面上の答弁なので「本当」のところは判らないが、知事も難しい立場であることは理解してます。
そこで、玉城知事と中国の関係について考えます。
玉城デニー知事と中国
沖縄県の玉城デニー知事と中国との繋がりについては、琉球王国時代からの歴史的・文化的交流を背景に、特に経済・観光・文化の分野での「地域外交」を重視する知事の姿勢が注目されています。
2023年7月の中国訪問
2023年7月、玉城知事は河野洋平氏が会長を務める日本国際貿易促進協会の訪問団の一員として中国を訪問しました。この訪問は、中国政府から異例なほどの高いレベルで歓迎されました。
- 李強(りきょう)首相との会談:
- 中国共産党序列2位の李強首相と会談し、中断していた観光や経済交流の再開、ビザ手続きの簡素化、沖縄と中国を結ぶ航空路線の復活などを要請しました。
- 中国側は、玉城知事を訪問団のトップである河野氏よりも格上の席次(左大臣に相当)に配置するなど、最大級の接遇を見せました。
- 琉球国墓地への参拝:
- 北京郊外にある琉球国墓地遺址を訪れ、琉球王国時代に清国で客死した使節らを沖縄独特の風習で参拝しました。知事はここで「中国と沖縄の絆をしっかり結んでいく」と述べました。
- 福建省の訪問:
- 琉球王国時代から交流がある福建省を訪れ、省トップの周祖翼(しゅうそよく)共産党委員会書記と会談し、交流促進で一致しました。福建省は、習近平国家主席が長く勤務したゆかりの地でもあります。
中国側の姿勢と歴史的背景
この訪問の約1ヶ月前、習近平国家主席が史料館を視察した際、琉球との交流の歴史に言及したことが報じられており、玉城知事の訪中と合わせて沖縄(琉球)への強い関心を示していると解釈されました。
中国側は、歴史的に琉球が中国の冊封国(藩属国)であった事実を強調し、玉城知事の行動を「中華文明の一部」としての琉球の歴史的繋がりを再確認するものとして、中国メディアで大々的に報じました。
評価と議論
玉城知事は、こうした交流を「地域外交」と位置づけ、「平和な環境を作り維持していく」ために、国レベルの外交を補完する役割として経済・観光・文化交流の促進を重視しています。
しかし、この交流に対しては、中国側が沖縄の帰属問題や対日牽制に利用しているとの見方から、国内では以下のような懸念や批判も出ています。
- 「尖閣問題」などの国境に関する問題に言及しなかった点。
- 中国の「一帯一路」構想への沖縄活用を要請したとされる点。
- 中国共産党による「統一戦線工作」(分断工作)の一環として、玉城知事の動きが利用されている可能性。
玉城知事の中国との繋がりは、歴史的な友好関係と、地政学的な緊張が絡み合う複雑な状況下にあります。しかし、理念はどうあれ県民や全国民にとって不利益になるような「中国による政治利用」されないように立場を考えてほしいものです。



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