
2019年の「表現の不自由展・その後」について
喉元過ぎれば、では許されない事実。
私は愛知県人だし名古屋人。この事件がなぜ忘れられるのか、なぜ愛知県人は税金が使われているのに怒らないのか?私は忘れない
いま一度、その悪意に満ちたこのイベントを語ってみたい。
あいちトリエンナーレは、2019年に開催された回(あいちトリエンナーレ2019)で、企画展の一つである「表現の不自由展・その後」を巡り、大きな社会問題となりました。
経緯
- 概要: 過去に日本では公立美術館などで展示が不許可・撤去されるなど、何らかの理由で公開が不自由になった作品を集めた展覧会です。特に、慰安婦問題を象徴する「平和の少女像」などの展示内容が、政治的な論争を引き起こしました。
- 経緯: 展示内容に対する抗議の電話やFAXが殺到し、テロ予告のような脅迫も発生したため、安全管理上の問題から会期途中で一時的に展示が中止されました。
- その後: 最終的には、安全対策を強化した上で会期末に展示が再開されましたが、「公金を使う芸術祭における表現の自由と責任」について、大きな議論を呼び起こす出来事となりました。
これは、過去に日本の公立美術館などで展示が不許可になったり、展示された後に撤去されたりした作品を集め、その経緯とともに展示する企画でした。
概要と主な論争点
- 開催地: 愛知県名古屋市にある愛知芸術文化センターなど(あいちトリエンナーレの一部として)
- 芸術監督: 津田大介。
- 主な展示内容:
- 日本軍「慰安婦」を象徴する《平和の少女像》。
- 昭和天皇の肖像をモチーフにした作品。
- 植民地支配、憲法9条、政権批判などをテーマにした作品。
- 開催状況と中止・再開:
- 8月1日の開幕後、わずか3日間で展示が中止されました。
- 中止の直接的な理由は、テロ予告や脅迫を含む大量の電話・FAX・メール(電凸)が主催者側に殺到し、来場者や職員の安全確保が困難になったためとされています。
- 名古屋市長(当時)が展示内容を「日本国民の心を踏みにじる行為」などと批判し、中止を求める抗議文を提出したことも、混乱を拡大させた一因と見られています。
- その後、展示再開を求める動きや、中止は「表現の自由」の侵害にあたるという議論が起こり、10月8日から14日まで展示が再開されました。
- 文化庁補助金:
- 文化庁は、愛知県が申請していた「あいちトリエンナーレ2019」への補助金について、手続き上の理由で全額不交付と決定し、これも展示内容への事実上の介入ではないかと大きな波紋を呼びました。
捏造された歴史
この企画展は、「表現の自由」や公金を使った芸術、公権力と芸術の関係などについて、日本国内で非常に大きな議論を巻き起こすこととなりました。
「表現の不自由展・その後」における《平和の少女像》への批判は、ご指摘の通り、朝日新聞の慰安婦報道をめぐる論争が背景にあり、この報道が「捏造(ねつぞう)」であったと主張する立場から激しく行われました。
ここでは、朝日新聞の慰安婦報道がなぜ問題視され、その後の日本社会にどのような影響を与えたかについて、主要な論点をまとめます。
朝日新聞報道の「誤り」と「取り消し」
慰安婦問題に関する朝日新聞の報道は、特に以下の2点について、2014年8月に同社自身が「虚偽」と判断し、記事の取り消しと検証を行いました。
A. 「吉田清治証言」の取り消し
- 吉田証言とは: 故・吉田清治氏が、戦時中に朝鮮半島や済州島で、女性を「慰安婦」にするため強制的に連行したと証言し、朝日新聞が1980年代から1990年代初頭にかけてこの証言を複数回報じました。
- 朝日新聞の判断(2014年): 朝日新聞は、「吉田氏の証言を裏付ける資料や証言は見つからなかった」として、この証言に基づく記事を「虚偽」と判断し、取り消しました。
- 批判の焦点: この証言は、日本軍が組織的に女性を「人さらいのごとく連行した」というイメージを国際社会に広げる一因になったとされ、この「虚偽」の証言を長期間にわたって報道し続けたことが、「日本を貶めた」「捏造だ」という厳しい批判を招きました。
B. 「女子勤労挺身隊」と「慰安婦」の混同
- 混同の事実: 戦時中に女性を動員した「女子勤労挺身隊(ていしんたい)」は、工場や軍需工場などで働くための組織であり、慰安婦(性的サービスの提供)とは全く異なります。
- 朝日新聞の誤報: 朝日新聞の一部の記事で、元慰安婦の女性が「挺身隊」の名で戦場に連行されたと報じるなど、両者を混同しているかのような印象を与える表現がありました。
- 批判の焦点: この混同により、「日本の若年女性までが強制的に性奴隷にされた」という誤った認識が、特に韓国や国際社会に広がる一因となったと批判されました。
「捏造」という言葉をめぐる論争
朝日新聞は「捏造」という言葉は使わず「虚偽」としていますが、朝日新聞を批判する側(保守派・右派メディアなど)は、一連の報道を「捏造」と表現し、激しく非難しました。
元記者・植村隆氏の訴訟: 特に、最初に元慰安婦の金学順(キム・ハクスン)さんの証言を報じた元朝日新聞記者の植村隆氏が、自身に対する「捏造記者」という批判で名誉を毀損されたとして、一部の論者や出版社を訴える訴訟に発展しました。この裁判は、最高裁で植村氏側の敗訴が確定していますが、記事内容が「捏造」であったか否かについては、現在も論争が続いています。3. 「平和の少女像」への批判との関連
「捏造」の主張: 朝日新聞の報道が、特定の政治的意図や、証言の裏付けを怠った記者の不適切な取材姿勢によって、意図的に事実を歪めた、あるいは虚構を作り出したものだと主張されました。
「表現の不自由展・その後」で展示された《平和の少女像》は、この論争において「捏造された強制連行説を象徴するもの」と見なされました。
「平和の少女像」への批判との関連
「表現の不自由展・その後」で展示された《平和の少女像》は、この論争において「捏造された強制連行説を象徴するもの」**と見なされました。
- 批判のロジック: 「朝日新聞が虚偽と認めた強制連行説に基づいた主張を、公的な場所で芸術として掲げることは、日本の名誉を傷つけ、外交問題の火種を再燃させる行為である」というロジックで、像の撤去や展示中止が要求されたのです。
昭和天皇の肖像をモチーフにした作品への批判
展示された作品
- 作品名: 大浦信行《遠近を抱えて PartⅡ》(映像作品)
- 内容: 昭和天皇の肖像をコラージュして焼却するような表現を含む映像作品。
昭和天皇に対する侮辱
- 「天皇への侮辱」: この作品が、日本の象徴であり、多くの国民にとって特別な存在である天皇の肖像を扱う表現が含まれていたため、「日本の尊厳を傷つける」「天皇を侮辱している」として、強い怒りと不快感を表明する意見が多数を占めました。
- 「公金の使用」への反発: 税金が投入されている国際芸術祭の場で、このような「過激」と見なされる表現が展示されたことに対し、「公金を使って反日的なプロパガンダを行うな」という批判が噴出しました。
- 過去の経緯: この作品は過去にも公立美術館での展示が問題となり、撤去された経緯があり、まさに「不自由展」のコンセプトに沿ったものでしたが、再展示によって再び強い反発を招きました。
まとめ
この一連の出来事は、日本のメディアの信頼性、歴史認識、外交、そして「表現の自由」といった複数の問題が複雑に絡み合い、2019年の企画展が激しい抗議にさらされる決定的な背景となりました。



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