
「三陸沖」を震源とする、あるいは三陸沖の地震で最大震度6強を観測
三陸沖は、巨大地震を引き起こす日本海溝に面しており、過去にもM7クラスの大きな地震が繰り返し発生している、特に警戒が必要な海域です。

2025年12月8日 青森県東方沖の地震
| 概要 | 詳細 |
| 発生日時 | 2025年12月8日 23時15分頃 |
| 震源地 | 青森県東方沖(三陸沖の北側) |
| マグニチュード | M7.6 (速報値) |
| 最大震度 | 6強 (青森県八戸市などで観測) |
| 特徴 | 津波警報・注意報が発表され、北海道・三陸沖後発地震注意情報が初めて発表されました。これは、今後1週間程度、さらに大きな地震(後発地震)が発生する可能性が高まっているとして、特別な警戒を呼びかける情報です。 |
過去の主な事例:平成6年(1994年)三陸はるか沖地震
| 概要 | 詳細 |
| 発生日時 | 1994年(平成6年)12月28日 21時19分頃 |
| 震源地 | 三陸はるか沖(青森県八戸市の東方沖) |
| マグニチュード | M7.6 |
| 最大震度 | 6 (青森県八戸市で観測) ※当時の震度階級における最大震度です。現在の震度階級では6強に相当する揺れであった可能性もありますが、公式記録では震度6です。 |
| 被害 | 死者3人、負傷者788人。八戸市を中心に建物の全壊・半壊などの被害が発生しました。 |
三陸沖の地震活動の特徴
三陸沖は、太平洋プレートが陸側のプレートの下に沈み込んでいる「日本海溝」沿いに位置しています。このプレートの境界でひずみが限界に達すると、巨大地震が発生します。
- 東日本大震災(2011年): 震源は「東北地方太平洋沖」で、この三陸沖を含む広大なプレート境界がずれ動き、最大震度7(宮城県栗原市)を観測しました。
- 繰り返し発生する大地震: この海域では、1968年の十勝沖地震(M7.9)、1994年の三陸はるか沖地震(M7.6)など、M7を超える大地震が過去にも発生しています。
三陸沖を含む海溝沿いでは、今後30年以内に高い確率で巨大地震が発生することが予測されています。
三陸沖で発生する最大震度6強クラスの地震のメカニズムは、主にプレート境界型地震です。
日本列島の東側にある三陸沖は、地球規模のプレート(岩盤)の境界にあたり、地震の巣とも呼ばれるエリアです。
三陸沖地震のメカニズム(プレート境界型地震)

三陸沖を含む東北地方の太平洋沖では、太平洋プレート(海のプレート)が、北米プレート(陸のプレート)の下に沈み込んでいます。
この沈み込み帯で発生する地震のメカニズムは以下の通りです。
プレートの沈み込みとひずみの蓄積
- 太平洋プレートは、年間数cmの速度で西側に移動し、北米プレートの下へ沈み込んでいます。
- このとき、海のプレートは陸のプレートの先端を地下深くへと引きずり込みます。
- 引きずられた陸のプレートは、もとに戻ろうとする力が働き、大きな**ひずみ(エネルギー)**が蓄積されます。

逆断層型の破壊
- このひずみが限界に達すると、陸のプレートの先端が跳ね上がり、固着していた境界が一気にずれます。これが地震です。
- このタイプの地震は、プレート同士が互いに押し合う力で発生するため、**西北西—東南東方向に圧力軸を持つ「逆断層型」**のメカニズムとなることが多いです。
- 2025年12月8日の青森県東方沖地震(最大震度6強、M7.6)も、このプレート境界型で、逆断層型として解析されています。
津波の発生
- 陸のプレートが急激に跳ね上がると、その上にある海水全体が押し上げられます。
- この海水の大きな隆起が津波を発生させ、沿岸部に到達します
後発地震注意情報
これは、北海道・三陸沖の日本海溝・千島海溝沿いで将来的に発生が懸念される巨大地震に備えるための情報です。
どのような情報なのか
- 「北海道・三陸沖後発地震注意情報」が正式名称です。
- 日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震の想定震源域やその周辺で、先にマグニチュード(Mw)7.0以上の地震(先発地震)が発生した場合に発表されます。
- この情報が発表されると、普段に比べてさらに大規模な後発地震が発生する可能性が相対的に高まっていることを知らせ、注意を促します。
- ただし、情報が発信されたからといって、後発地震が必ず発生するわけではありません(世界の事例を踏まえても確率は100回に1回程度と低いです)。

発表されたらどうする?
情報が発表されたら、概ね1週間程度、以下の点に注意して防災対応を徹底することが呼びかけられています。
- 通常の社会経済活動は継続します。
- すぐに避難できる態勢での就寝(外着や防寒着の着用、枕元に靴・懐中電灯など)。
- 非常持出品を常に携帯する。
- 家具の固定、備蓄品、避難経路など、日頃からの地震への備えを再確認する。
- 先発地震で損壊した建物やブロック塀など、倒壊・土砂災害の危険がある場所には近づかない。
- 揺れを感じたり、津波警報などが発表されたりした場合は、すぐに避難できるよう準備する。
⚠️ 注意点:この情報により、国や自治体がただちに事前避難を呼びかけることはありません。揺れや津波警報など、実際の危険が迫った時に速やかに避難することが重要です。

対象地域は?
北海道から千葉県にかけての太平洋沿岸などの、日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震で強い揺れや高い津波が想定される市町村が、「防災対応をとるべき地域」として指定されています(具体的な市町村名は多岐にわたるため、お住まいの自治体の情報を確認してください)。

「北海道・三陸沖後発地震注意情報防災対応ガイドライン」(内閣府)



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