
都合の悪い「民意」
2026年2月8日に投開票が行われた第51回衆議院議員総選挙での自民党(高市政権)の歴史的圧勝を受け、その直後となる2月15日放送の『サンデーモーニング』では、番組独自の非常に厳しい視点からこの結果が報じられました。その「報道姿勢」と、議論を呼んでいる具体的な論調を整理します。
■ 2026年2月15日 放送の出演者
司会・キャスター
- 司会: 膳場貴子
- サブキャスター: 唐橋ユミ、中西悠理、杉浦みずき、駒田健吾(TBSアナウンサー)
パネリスト(コメンテーター)
- 寺島実郎(多摩大学学長、日本総合研究所会長)
- 目加田説子(中央大学教授)
- 安田菜津紀(フォトジャーナリスト)
- 松原耕二(キャスター・ジャーナリスト)
スポーツコーナー(週刊御意見番)
- 解説: 上原浩治(※五輪期間中のため、現地レポートや特別解説を含む)
- 主なトピック: スキージャンプ(小林陵侑、二階堂蓮)、カーリング女子、スピードスケートなど。

自民党(高市政権)の歴史的な圧勝と、野党第一党の壊滅的な敗北をめぐり、番組らしい非常に「危機感」の強い議論が展開されました。
特にネットやSNSで物議を醸したり、注目された取り上げ方は以下の通りです。
1. 「民主主義の危機」と「チェック機能の喪失」
番組全体を貫いていたのは、祝賀ムードとは真逆の**「強い危機感」でした。自民党が単独で316議席(全体の3分の2超)を確保したことに対し、「民意が示された」と肯定するのではなく、「ブレーキの効かない政治が始まる」**という点を強調しました。
- 具体的な主張: 「野党がここまで壊滅すると、国会での議論は形骸化し、政権の暴走を止める手段がなくなる」という論調で一貫。
- 視聴者の反応: 「選挙結果という民意を、なぜここまで否定的に捉えるのか」といった反発と、「独裁への懸念を代弁している」という支持の両極端に分かれています。
寺島実郎氏:「議会制民主主義の『形骸化』への懸念」
寺島氏は、自民党が単独で3分の2(316議席)に迫る議席を確保したことに対し、極めて厳しい言葉を使いました。
- 発言内容: 「これほどの議席差がつくと、国会はもはや議論の場ではなく、『追認機関』に成り下がる。有権者は安定を選んだつもりかもしれないが、実態はチェック機能を自ら手放した『危うい選択』だったと言わざるを得ない」
- 波紋: これに対し、「国民の選択を『危うい』と断じるのは不遜だ」という批判がネット上で相次ぎました。
2. 高市政権の「右傾化」への強い警戒
今回の勝因を高市首相の「積極財政」や「安全保障政策」への支持とする世論に対し、番組はこれらがもたらす「負の側面」をクローズアップしました。
憲法改正: 3分の2の議席を得たことで、改憲発議が現実的になったことに対し、コメンテーターからは「戦後平和主義の終焉」といった極めて強い言葉が飛び出しました。
外国人政策・ジェンダー: 「多様性を認めない不寛容な社会が加速する」という懸念を、新党「参政党」や「チームみらい」の躍進と絡めて批判的に論じました。
3. 「有権者」や「メディア」への批判
興味深いのは、勝利した自民党だけでなく、「選んだ国民」や「他のメディア」にも批判の矛先が向けられた点です。
「風をよむ」コーナー: 投票率が56.26%と前回より上昇したものの、「イメージやSNSの扇動に流された結果ではないか」といったニュアンスの分析が行われました。
メディア責任論: 批判的な報道を避けてきた他のテレビ局や新聞が、この「一強体制」を作り出した一助になったとする批判的な見解が示されました。
「風をよむ」コーナーでの表現:「ブレーキのない暴走」
毎週の特集コーナー「風をよむ」では、選挙結果を総括するキーワードとして「ブレーキなき巨大権力」という表現が多用されました。
コメンテーターの加筆: ゲストコメンテーターが「この勝利はSNSによる『熱狂』が生んだもので、冷静な政策判断の結果ではない」といった趣旨の発言をし、これが「有権者をバカにしている」と炎上する一因となりました。
演出: 高市首相が勝利宣言で「日本を取り戻す総仕上げ」と語る映像に重ねて、「戦後平和主義の変質」や「憲法改正へのカウントダウン」といったナレーションが入り、不安を強調する演出が目立ちました。
4. 高市首相の「ホクホク」発言への追及(2月8日放送分からの継続)
先週の投開票日直前の放送で取り上げられた、高市首相の円安に関する「(輸出企業は)ホクホク」という発言を、改めて「国民の困窮を理解していない」と蒸し返しました。
- 膳場氏のコメント: 「これだけの支持を得たからといって、こうした『持てる者』の視点での政治が正当化されて良いのか、私たちは厳しく見ていく必要がある」と、勝利したばかりの政権に釘を刺す姿勢を鮮明にしました。
5. 野党(中道改革連合)への「冷ややかな叱咤」
49議席と壊滅的な敗北を喫した野党第一党に対し、かつてのサンモニであれば「期待」を込めて報じるところですが、今回は非常に冷ややかでした。
- 発言: 「リベラル勢力の結集に失敗し、国民に代案を示せなかった。これは『政治の死』に等しい」といった、突き放すような分析が目立ちました。
特に、中道改革連合の敗北を「リベラル勢力の自滅」ではなく「社会の右傾化」として断じた点は、今後もしばらくSNS等で議論の火種になりそうです。
この番組の言いたいこと
番組での取り上げ方
自民316議席
「勝利」ではなく「巨大すぎる権力の誕生」として描写
野党の大敗
「国民に選択肢を与えられなかった」と突き放しつつ、政治の空白を危惧
高市首相
その人気を「危うい熱狂」と定義
スタジオの空気
膳場氏の落ち着いた進行に対し、コメンテーター陣は一様に暗い表情で「冬の時代」を強調
まとめ:昨日の放送における「問題視」されたポイント
視聴者の間では、特に以下の3点に批判が集中しています。
- 「国民が間違った」というニュアンス: 自民党を支持した国民の判断力を疑問視するような選民意識的な発言。
- 恐怖心の煽動: 「徴兵制」や「独裁」といった極端な言葉をチラつかせながら、憲法改正の議論をタブー視する空気。
- 株高(5万7,000円超)への沈黙: 経済的なプラス面についてはほとんど触れず、格差や不安要素ばかりを抽出する編集。
[!NOTE] 番組の最後で膳場氏が「この国はどこへ向かうのでしょうか」と溜息混じりに締めくくったシーンが、今回の「敗北感に満ちた報道姿勢」を象徴していたと言えます。



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