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工業の発展と文化の発展の関係

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工業地域では文化が発展しないのか

自分は名古屋は文化が育っていない感覚を持ってます。もちろん魅力的な美術館(豊田市美術館は好きだけど)や現代美術館が無い、現代アートへの無関心・無イベント。福岡と比べても苦戦するコンサートでのチケット売り上げなど。元々、楽器が好きな自分からしても「ゆとり」が無い街だな、と言うのが本音です。

なぜそういう感じに映ってしまうのか。ちょっと考察してみます。

工業と愛知県

以下は第2次産業就業者数(2020年)の比較グラフです。1█ ≒ 5万人。

愛知県 1,135,848人 ███████████████████████

東京都 873,231人 █████████████████

神奈川県 811,104人 ████████████████

大阪府 786,169人 ████████████████

福岡県 436,066人 █████████

北海道 387,947人 ████████

宮城県 236,613人 █████

都道府県第2次産業就業者数
愛知県1,135,848人graphtochart
東京都873,231人graphtochart
神奈川県811,104人graphtochart
大阪府786,169人graphtochart
福岡県436,066人graphtochart
北海道387,947人graphtochart
宮城県236,613人graphtochart

順位は以下の通りです

  1. 愛知県
  2. 東京都
  3. 神奈川県
  4. 大阪府
  5. 福岡県
  6. 北海道
  7. 宮城県

愛知県は約114万人で突出しており、宮城県の約4.8倍の第2次産業就業者数となっています。

人口比率

2020年国勢調査人口を基に、第2次産業就業者数を人口で割った人口比率(参考値)を比較すると次のようになります。人口・就業者数はいずれも2020年ベースです。

都道府県第2次産業就業者数人口比率(概算)
愛知県1,135,848人約15.0%
宮城県236,613人約10.3%
大阪府786,169人約8.9%
神奈川県811,104人約8.8%
福岡県436,066人約8.5%
北海道387,947人約7.4%
東京都873,231人約6.2%

グラフ(人口比率)

愛知県 15.0% ███████████████

宮城県 10.3% ██████████

大阪府 8.9% █████████

神奈川県 8.8% █████████

福岡県 8.5% ████████

北海道 7.4% ███████

東京都 6.2% ██████

結論

愛知県は製造業集積が非常に大きく、人口に対する第2次産業就業者の割合も突出しています。

東京都は就業者数そのものは全国上位ですが、サービス業中心のため人口比率は低めです。

宮城県は人口規模に対して第2次産業比率が比較的高いことが分かります。

※厳密には「人口比率」ではなく、「総人口に対する第2次産業就業者割合」の参考値です。就業者総数に占める割合で比較すると順位が一部変わる場合があります。

今度は第3次産業

製造業とは違い知的産業を含む「第3次産業」(サービス業など)就業者比率の比較です(2020年)。

東京都 81.1% ████████████████

神奈川県 76.5% ███████████████

福岡県 74.9% ███████████████

北海道 74.1% ██████████████

大阪府 73.7% ██████████████

宮城県 71.4% ██████████████

愛知県 63.7% █████████████

順位都道府県第3次産業就業者比率
1東京都81.1%
2神奈川県76.5%
3福岡県74.9%
4北海道74.1%
5大阪府73.7%
6宮城県71.4%
7愛知県63.7%

第2次産業との対比

都道府県第2次産業比率(参考)第3次産業比率
愛知県約15.0%63.7%
東京都約6.2%81.1%
神奈川県約8.8%76.5%
大阪府約8.9%73.7%
福岡県約8.5%74.9%
北海道約7.4%74.1%
宮城県約10.3%71.4%

特徴として、東京都・神奈川県・福岡県はサービス業中心愛知県は製造業の比重が大きく第3次産業比率が低めという構造がはっきり表れています。stats47+ 1

クリエイティブな仕事

クリエイティブな仕事(広告、デザイン、映像、ゲーム、ITサービス、出版、コンテンツ制作など)という観点では、一般的に第3次産業比率が高い地域ほど有利と考えられます。

この地域なら、

① 東京都 81.1%

② 神奈川県 76.5%

③ 福岡県 74.9%

④ 北海道 74.1%

⑤ 大阪府 73.7%

⑥ 宮城県 71.4%

⑦ 愛知県 63.7%

となります。

総合評価

クリエイティブ産業の総合力

東京 > 大阪 ≒ 神奈川 > 福岡 > 北海道 > 宮城 > 愛知

工業デザイン・プロダクトデザイン

愛知 > 東京 > 神奈川 > 大阪

という見方ができます。愛知は「ものづくり系クリエイティブ」が強く、東京は「コンテンツ・広告・デジタル系クリエイティブ」が非常に強いのが特徴です。

工業ベースのデザインでは「遊び」がなくなり、人の心を打たないのか

文化の発展と産業構造には強い関係があります。しかしこの事が「人の心を打たない」のか?

その指摘には一理あります。ただし、必ずしもそうとは言い切れないと思います。

工業ベースのデザインは、

  • 品質の安定
  • 安全性
  • 生産効率
  • ユーザビリティ

を重視します。

そのため、「失敗しないデザイン」にはなりやすい一方で、「予想を裏切る面白さ」が削られやすい傾向があります。

例えば自動車産業や家電産業が強い地域では、「どう作るか」「どう機能するか」が重視されます。一方で芸術や広告、映像の世界では、「なぜ心が動くのか」「どう感情を揺さぶるか」が重視されます。

デザイン史でも、工業デザインの巨匠ディーター・ラムスが唱えた「Less, but better(より少なく、しかしより良く)」の思想は合理性を極めましたが、その反動として感情や物語性を重視するデザイン運動も生まれました。

興味深いのは、多くの人を惹きつける作品は、

機能性(工業的思考)× 遊び心(文化的思考)

の両方を持っていることです。

例えば、

  • Apple製品は工業デザインの合理性と感性的な体験を融合している
  • 任天堂は技術力だけでなく「遊び」の発想を重視している
  • 北欧デザインは機能美と人間らしさを両立している

などがよく挙げられます。

工業デザインに偏ること

むしろ問題は工業ベースそのものではなく、

「効率だけを唯一の価値にしてしまうこと」

かもしれません。

人の心を打つ文化やデザインには、無駄、余白、偶然、遊び、物語といった、効率では測れない要素が必要だからです。

その意味では、

「遊びがなくなると人の心を打たない」

という感覚は、文化や芸術を考える上で非常に本質的な視点だと思います。合理性だけでは人は感動せず、感動にはしばしば非合理な余白が必要になります。愛知、特に名古屋の場合、堅実・慎重という気質と相まって「画一的」な街に見られてしまいます。

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